舞台：『想稿・銀河鉄道の夜』（劇団２１世紀FOX）

何年ぶりかにＦＯＸの舞台を見に行ってきました。
劇団２１世紀ＦＯＸ第70回公演
【想稿・銀河鉄道の夜】
２０１２年１２月１６日（日）13：00～新宿SPACE107」
作：北村想　演出：河本浩之

いわずと知れた宮沢賢治の銀河鉄道の夜、それを北村想さんが脚本化したもの。
同演目がこの劇団で上演されたのは18年前だということですが、実はそれ、私、観に行っていました。
とても好きな舞台で、自分の中では「銀河鉄道の夜」＝このFOXの舞台、て くらい。
（原作よりも、有名な某猫のアニメよりも、私にとってはずっと印象深い作品。）

１８年ぶりに観たFOXの銀河鉄道は、懐かしくもあり、新鮮でもあり、素敵な舞台でした。
レオさん(河本浩之さん)演出の銀河は、ちょっと途中で息抜き的なコーナーがあったりしてね、
天気輪の駅で汽車を待つシーンの乗客たちが、宮沢賢治の作品の登場人物だったり、
あと、発掘隊のキャストが舞台の前説でじゃんけんで決めた日替わりキャストだったり、
面白かったです。
役者さんは、レオさん（発掘隊員）とエリさん（先生）と肝付さん（宮沢先生と車掌さん）以外は、
私は知らない方ばっかりでしたが、それぞれ皆さん真に迫る演技で、時に楽しく、時に悲しく、
物語に引き込んでくれるパワーがありました。
ジョバンニとカンパネルラを演じていたのは、どちらも女優さんでしたが、
少年らしい魅力を上手く伝えてくれていました。最後、ジョバンニの叫びに、泣いちゃったよ。

そして、やはりこの原作の持つ力も、ものすごく強くて、
哲学的であり天文学であり数学であり心理学でもあるその壮大なテーマは、
ほんとに興味深くて、怖くもあり面白くもある永遠の人間の問いなんだろうな、
と、改めて感じました。

「ほんとうのことはなんですか？」
「わたくしという現象はいったいなんですか？」

ずっと考え続けてしまうと、頭が痛くなってしまいそうですが、
こうやって、作品にふれることで、時々ふと考えたり感じたり　してみるといいね。

FOXの銀河鉄道の夜に、また出会えてよかった。。。