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本のこと:『マカロンはマカロン』(近藤史恵) [本のこと]

さて、この際なので、3作目も引き続き読みました。
ビストロシリーズの現時点での最新刊。


【マカロンはマカロン】(近藤史恵)
マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)

マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: Kindle版



下町のフレンチのビストロを舞台にした日常の謎ミステリ。
<収録作>
「コウノトリが運ぶもの」
「青い果実のタルト」
「共犯のピエ・ド・コション」
「追憶のブータン・ノワール」
「ムッシュ・パピヨンに伝言を」
「マカロンはマカロン」
「タルタルステーキの罠」
「ヴィンテージワインと友情」

今回も、パ・マルを訪れるお客さんたちの
ちょっとした違和感や謎を、
三舟シェフが、もつれた糸を優しくほどくように
解き明かしてくれます。

「青い実のタルト」と「タルタルステーキの罠」は
ちょっとゾクっとした怖さをはらんでいたり、
「ヴィンテージワインと友情」なんかは、謎を解いた後の真実が
あまり後味のいいものじゃなかったりもしたけど、
それでもパ・マルの人たちの優しさや言葉によって、ちゃんと救われる。
人の数だけドラマがあるんだよなぁ、としみじみ思わせてもくれる。

収録作で一番好きだったのは「ムッシュ・パピヨンに伝言を」でした。
こんな短いストーリーなのに、登場する西田氏のイタリアでの切ない
過去の恋の話にすぐに感情移入しちゃって、
そして訪れる結末(というか未来の期待を含んだ)に涙ぐんでしまった。



人間ドラマと、美味しそうな料理の魅力と、
謎解きの小気味よさを味わうのに最適な一冊。
おすすめです。

続編の文庫を待ちたい






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