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本のこと『三つの名を持つ犬』(近藤史恵) [本のこと]

続けて近藤史恵さんの作品を読んでいます。


今回選んだのはこれ。
【3つの名を持つ犬】(近藤史恵)

三つの名を持つ犬〈新装版〉 (徳間文庫)

三つの名を持つ犬〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 近藤史恵
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/11/06
  • メディア: Kindle版

<あらすじ>徳間書店サイトより
愛犬エルとの生活を綴ったブログがきっかけとなり、ようやく仕事が入り始めたモデルの草間都。
だがある夜、家に帰るとエルは……。
エルの死は都にとって、人生の大切な伴侶の喪失であるだけでなく、仕事の危機をも意味していた。
追い込まれる都。だがそんな彼女の前に、ある日、エルそっくりの犬が現れた。
いけないと知りつつ、犬を連れ帰ってしまったことから、都は思いがけない事件に巻き込まれていく。
すべての犬を愛する人に贈るミステリー。


これまで、近藤作品のホンワカした日常の謎ミステリを読んできたせいで、
てっきりこれもそういう軽めの話かと思っていたのに、
読み始めてみると、なかなかドロリとした人の闇系の話だでした。

最初は売れないモデル都の目線で語られ、
途中からは振り込め詐欺の下っ端の仕事につく江口に目線が切り替わります。
そして、二人をつなぐのが、作品タイトルにもなっている白い犬。
この犬が3つの名で呼ばれることになるいきさつは

なかなかシビアで悲しい経緯なのだけど、
それでも、この犬に関わる登場人物たちは、皆一様に「犬が好き」で、
「犬をかけがえのない存在だと思っている。」ことは強く伝わってくる内容でした。

犬を飼ったことがない人から見れば、
どうしてそこまで?と思うような、思い入れと愛着を持ち、
自分の人生を左右するほどの絶大な心の支えとして
「犬」の側に生きている。

結末は寂しいものではあったけれど、
江口の都への思いが、これらの未来の希望を
かすかに感じさせるところもあったので、
そこは救われたかな。




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