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今日の本:『旅屋おかえり』(原田マハ) [本のこと]

タイトルと、装丁に惹かれ手に取ったら
原田マハさんの本だったので、読みました。

【旅屋おかえり】(原田マハ)


旅屋おかえり (集英社文庫)

旅屋おかえり (集英社文庫)

  • 作者: 原田マハ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/04/03
  • メディア: Kindle版

内容(「BOOK」データベースより)
あなたの旅、代行します!
売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。
スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が
始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、
依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。
感涙必至の“旅”物語。
 





原田さんの作品はまだ読むのがこれで2つ目。
西洋絵画を題材にした小説ばかりなのかと思い込んでたけど、
ちがったのですね。無知ですみません。

この作品も、とても面白かったです。

感涙必至…なんて内容紹介(↑)に先に書かれちゃうと
ハードル上がって逆に冷めちゃわないかなぁ・・・なんて思ってたけど、
いやー、これが、もう、めちゃめちゃ泣いてしまいましたよ。
悲しくて、とか、感動して、とかそこまで大げさな感じじゃないのだけど、
なんか知らぬ間にホロリとしちゃう。笑顔で泣いてしまう。そんな系。

旅ができない人の代わりに旅をするなんて変わった仕事の始まりは、
偶然の出来事からの依頼によるものなんだけど、
そこがわざとらしくなく、とってつけた感がなくてとてもいい。
旅が好きな人が、旅を仕事にして、なおかつ人を笑顔にさせられるって
なんて素敵なシステムだろう。

具体的な旅の依頼のエピソードとして描かれているのは大きく2つだけど、
どちらのエピソードも人と人とのつながりや因縁を、
しみじみと考えさせられるもの(旅)でした。

そして、登場人物もみんな憎めない人ばかりで楽しい。
主人公の「おかえり」はもちろん、事務所の「萬(よろず)社長」も、
事務&経理の「のんさん」も、個性的で愛らしかったです。


やぁ、旅するっていいなぁ。








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今日の本:『ボクもたまにはがんになる』(三谷幸喜) [本のこと]

あ!三谷さんの本だ!と、
本屋さんで目にとまったので、
早速読みました。

【ボクもたまにはがんになる】三谷幸喜



ボクもたまにはがんになる (幻冬舎単行本)

ボクもたまにはがんになる (幻冬舎単行本)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2021/10/27
  • メディア: Kindle版



アマゾンサイトより:本書の紹介
前立腺がんって実は、まったく怖くない
大河ドラマ「真田丸」執筆中に前立腺がんの手術をしていた脚本家・三谷幸喜と、
おだやかで頼もしい主治医・頴川晋による、笑ってためになる、そしてがんのイメージが変わる、
縦横無尽の対談集。


人間ドックで前立腺がんが発覚した三谷幸喜。子供はまだ幼いし、50代の働き盛りだし、
大河ドラマの執筆を控えてるし……そんな状況だったけれど、主治医の頴川先生のわかりやすい解説、
治療方針に関する丁寧な説明で、まったく不安を感じることなく手術を受けることができた。
術後5年、無事健康体を保ってきた三谷が、「前立腺がんは怖くないし、もっと明るい感じというか、
“がんと戦う、生還する"というイメージを変えたい」と、先生との対談が実現。


項目抜粋
・肛門にチャッカマンの恐怖、・手術と勃起と男のプライド・病室で観た「真田丸」第1回

・がんになったことはプラスしかない・働きざかりで、がん・おむつ生活に凹む
・尿漏れは焦らず気にせず・オペのピークと脚本家のピーク・がん治療の今と未来


三谷幸喜さんのエッセイが好きで、
「ありふれた生活」シリーズは順番に読み続けているし、
舞台や映画やドラマ(今年は大河もまた手掛けてらっしゃいますね!)も
わりと隅々まで見るほど好きなのですが、
本書を本屋で目にするまで、前立腺がんの手術をされたことを存じ上げませんでした。

これは、三谷さんと三谷さんの主治医の
頴川医師との対談を記した本。
三谷さんのがん発覚の経緯から、治療方針を決めたり手術をしたのエピソード、
前立腺がんって(そもそもがんって)どんなものんなのか、がとても分かりやすく
書かれています。

しかも、「え!がんの闘病生活の話?さぞかしシリアスな・・・」と思いきや、
まったくもって重苦しくない!
「前立腺がんは怖いがんがじゃないよ」ということを伝える本の趣旨はおいといて、
そういう意味とは別で、三谷さんが語る話がめちゃめちゃ面白いのです。
がんの話読んでるはずのに、思わず声を出して笑っちゃうページがいくつもある。
(電車内で読んでたのに・・・。マスクしててよかった・・・。)

当時手掛けていた「真田丸」の一話を病室で見た話、
血液とリンパ液の話をしているときに三谷さんが考案した「リンパ侍」の案を考証してもらうときの先生とのやり取り、
前立腺がんの手術後のおむつ生活のはなし、男性機能のはなし、etc.
どれも興味深い…というより面白い。
三谷さんのものの考え方や、思いつき、
心配事の中身まで面白いです。

気軽なエッセイ感覚で読めるので、
三谷さんの話が好きな方でもそうでない方でも
ただただ「前立腺がん」の病気のことを知りたいと思っている人にも、
おすすめです。




あー、笑った。

あー、健康診断・定期検査 欠かさず行こう。






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今日の本:『合唱 岬洋介の帰還』(中山七里) [本のこと]


この装丁の表紙を本屋で見かけたら、
即レジに持っていくことにしています。


大好きなシリーズの文庫版が出たので、さっそく読みました。


中山七里
【合唱 岬洋介の帰還】





合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2021/06/04
  • メディア: 文庫

幼稚園で幼児らを惨

殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯"仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、旧友・岬洋介が地球の裏側から急遽駆けつける。そして悪徳弁護士や熱血刑事、死体好きな法医学者たちと相まみえ……。中山作品の主要人気キャラクターたちが集結する“アベンジャーズ"回!






解説とか前情報を全く入れないで、

単純に 岬洋介シリーズだ!わーい! と思って読み始めてみたら、
岬洋介の司法修習生時代の仲間、天生が逮捕されるは、岬パパが出てくるわ、
御子柴弁護士が出てくるわ、法医学者の光崎教授、etc.etc.

なにこれ!
中山七里作品のオールスターオンパレードだった。
音楽シーンはほぼないけど、「合唱」っていうタイトルの理由は
そういうことだったのですね。

しかも、
これだけいろんな主役級登場人物が次々とでてくるにもかかわらず、
ストーリー展開とミステリとしての面白さで、
たぶん他作品を全然知らなかったとしても十分楽しめる作品。
ミステリの始まりから、展開、たたみかけ・・・
読んでる手が止まらくて、一気に読んでしまいました。
これを読んでから、出てきたそれぞれの人物たちが

主役をはるそれぞれのシリーズを読んでいくというのも一興
かもしれないです。


そしてこのオールスターズの中でも、
岬洋介の存在がとにかく光っている。
何もかもを置いて旧友を救いにくる登場シーンはめちゃめちゃゾクゾクするし、

ほかの登場人物たちとの対面するシーンで相手に与える印象の
鮮烈さもほんと気持ち良い。




中山七里ファンは必読です。



そして、ラストシーンの一言が予感させる次の物語にも期待大。

おすすめです。




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今日の本:『たゆたえども沈まず』(原田マハ) [本のこと]

前から読もう読もうと思っていた本、
ようやく読みました。

【たゆたえども沈まず】(原田マハ)

たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫)

たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫)

  • 作者: 原田マハ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: Kindle版

 

【内容情報】(出版社より)
19
世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。
画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。
野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。
その奇跡の出会いが”世界を変える一枚”を生んだ。読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。



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本のこと『三つの名を持つ犬』(近藤史恵) [本のこと]

続けて近藤史恵さんの作品を読んでいます。


今回選んだのはこれ。
【3つの名を持つ犬】(近藤史恵)

三つの名を持つ犬〈新装版〉 (徳間文庫)

三つの名を持つ犬〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 近藤史恵
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/11/06
  • メディア: Kindle版

<あらすじ>徳間書店サイトより
愛犬エルとの生活を綴ったブログがきっかけとなり、ようやく仕事が入り始めたモデルの草間都。
だがある夜、家に帰るとエルは……。
エルの死は都にとって、人生の大切な伴侶の喪失であるだけでなく、仕事の危機をも意味していた。
追い込まれる都。だがそんな彼女の前に、ある日、エルそっくりの犬が現れた。
いけないと知りつつ、犬を連れ帰ってしまったことから、都は思いがけない事件に巻き込まれていく。
すべての犬を愛する人に贈るミステリー。


これまで、近藤作品のホンワカした日常の謎ミステリを読んできたせいで、
てっきりこれもそういう軽めの話かと思っていたのに、
読み始めてみると、なかなかドロリとした人の闇系の話だでした。

最初は売れないモデル都の目線で語られ、
途中からは振り込め詐欺の下っ端の仕事につく江口に目線が切り替わります。
そして、二人をつなぐのが、作品タイトルにもなっている白い犬。
この犬が3つの名で呼ばれることになるいきさつは

なかなかシビアで悲しい経緯なのだけど、
それでも、この犬に関わる登場人物たちは、皆一様に「犬が好き」で、
「犬をかけがえのない存在だと思っている。」ことは強く伝わってくる内容でした。

犬を飼ったことがない人から見れば、
どうしてそこまで?と思うような、思い入れと愛着を持ち、
自分の人生を左右するほどの絶大な心の支えとして
「犬」の側に生きている。

結末は寂しいものではあったけれど、
江口の都への思いが、これらの未来の希望を
かすかに感じさせるところもあったので、
そこは救われたかな。




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本のこと:『マカロンはマカロン』(近藤史恵) [本のこと]

さて、この際なので、3作目も引き続き読みました。
ビストロシリーズの現時点での最新刊。


【マカロンはマカロン】(近藤史恵)
マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)

マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: Kindle版



下町のフレンチのビストロを舞台にした日常の謎ミステリ。
<収録作>
「コウノトリが運ぶもの」
「青い果実のタルト」
「共犯のピエ・ド・コション」
「追憶のブータン・ノワール」
「ムッシュ・パピヨンに伝言を」
「マカロンはマカロン」
「タルタルステーキの罠」
「ヴィンテージワインと友情」

今回も、パ・マルを訪れるお客さんたちの
ちょっとした違和感や謎を、
三舟シェフが、もつれた糸を優しくほどくように
解き明かしてくれます。

「青い実のタルト」と「タルタルステーキの罠」は
ちょっとゾクっとした怖さをはらんでいたり、
「ヴィンテージワインと友情」なんかは、謎を解いた後の真実が
あまり後味のいいものじゃなかったりもしたけど、
それでもパ・マルの人たちの優しさや言葉によって、ちゃんと救われる。
人の数だけドラマがあるんだよなぁ、としみじみ思わせてもくれる。

収録作で一番好きだったのは「ムッシュ・パピヨンに伝言を」でした。
こんな短いストーリーなのに、登場する西田氏のイタリアでの切ない
過去の恋の話にすぐに感情移入しちゃって、
そして訪れる結末(というか未来の期待を含んだ)に涙ぐんでしまった。



人間ドラマと、美味しそうな料理の魅力と、
謎解きの小気味よさを味わうのに最適な一冊。
おすすめです。

続編の文庫を待ちたい






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本のこと:『ヴァン・ショーをあなたに』(近藤史恵) [本のこと]

近藤史恵さんのビストロシリーズ、2作目も続けて読みました。
やっぱり、面白い!おすすめです。


【ヴァン・ショーをあなたに】(近藤史恵)
ヴァン・ショーをあなたに 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)

ヴァン・ショーをあなたに 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/02/27
  • メディア: Kindle版


下町のフレンチレストラン、パ・マルを舞台に
三舟シェフが日常の謎を解く、心温まるほっこり系ミステリ。

 収録作
 「錆びないスキレット」
 「憂さばらしのピストゥ」
 「ブーランジュリーのメロンパン」
 「マドモワゼル・ブイヤベースにご用心」
 「氷姫」
 「天空の泉」
 「ヴァン・ショーをあなたに」


いつもは高築くんの目から語られるストーリーですが、
後半の3編は、お客さんや、他の人からの視点で進んでいくところが、
いつもとはちょっと違う様相。
そして、三舟シェフがパ・マルのシェフになる前の修業時代のお話もあります。
個人的には「天空の泉」と表題作の「バン・ショーをあなたに」が好きでした。
ほっこり系ミステリなんだけど、
ときどきドキッとするようなシリアスで胸に刺さる言葉がでてくる。

 壊れてしまえば、幸福だった日々の記憶すら、心を苛む。
 まるで、どんなにきれいなガラス細工でも割れてしまえばただの刃物になるように。
                        (「天空の泉」より)     

傷ついた心をほぐしていく中にさりげなく登場する一つ一つの料理も、
今回もそれぞれに魅力的でした。
こんなん読んだら絶対美味しいオムレツ食べたくなったりするもの。

で、案の定、ヴァン・ショー(ホットワイン)も飲みたくなって、
自宅で作ってみたりしました。
(それなりに美味しかったけど、ホントに美味しいヴァン・ショーの「正解」を
知らないので、「正解」を飲んでみた欲はおさまらないのだけど・・・。)




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本のこと:『タルト・タタンの夢』(近藤史恵) [本のこと]

近藤史恵さんの書く短編が好きだ。
日常の些細なミステリを組み込んだ短編が好きだ。
このビストロシリーズも、そういう作品。

【タルト・タタンの夢】
タルト・タタンの夢 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)

タルト・タタンの夢 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: Kindle版


下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルを舞台に、
お客さんが持ち込む謎を、三舟シェフがするりと解く小気味よさと、
謎が解けた後に感じられるなんとも言えないあったかさや切なさ。

店長シェフ:三舟忍
副料理長:志村洋二
ソムリエ:金子ゆき
ギャルソン:高築知行
という、4人のスタッフたちもそれぞれに良いキャラクターです。
主に一番若い・高築くんの目から語られるストーリー。

 収録作
  「タルト・タタンの夢」
    「ロニョン・ド・ヴォーの決」
    「ガレット・デ・ロワの秘密」
    「オッソ・イラティをめぐる不和」
  「理不尽な酔っぱらい」
    「ぬけがらのカスレ」
  「割り切れないチョコレート」


三舟シェフの洞察力のすごさを楽しむのももちろんだけど、
それぞれの登場人物が抱えるそれぞれの様々な人生や日常の様々を
楽しむに分にも十分面白いです。


しかい、中に出てくる、気取らないフランス料理たちは、どれも
「一度味わってみたい!」と思わせてくれる魅力的なものばかり。
この本を読んだら、外食はほぼしない自分でも、
行きつけのこんなビストロが欲しいなぁと思ってしまうな。


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今日の本:『dele』、『dele2』(本多孝好) [本のこと]

久々に読んだ本多作品、面白かったです。

本多孝好【dele】【dele2】
dele (角川文庫)

dele (角川文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: 文庫
dele2 (角川文庫)

dele2 (角川文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する」。
それが『dele.LIFE』の仕事だ。淡々と依頼をこなす圭司に対し、新入りの祐太郎はどこか疑問を感じていた。
詐欺の証拠、謎の写真、隠し金―。依頼人の秘密のデータを覗いてしまった2人は、思わぬ真相や事件に直面してゆく。
死にゆく者が依頼に込めた想い。遺された者の胸に残る記憶。生と死、記録と記憶をめぐる、心震わすミステリ。




本多さんが描く「生」と「死」に直面した人々の物語は、なんて切なくも暖かいんだろう。
「死後に消したいデジタルデータ」にまつわる短編なのだけど、
闇を抱えた事柄ばかりではなく、それぞれの依頼主の背景や理由は様々で、
時には悲しく時には優しい結末だった。

特に、1冊目の4話目「ドールズ・ドリーム」が一番好きで、
この1話のために読んで良かったと思えたくらい。


一応「2」で全体の大きな物語は完結したわけだけど、
続編、出て欲しいな。
圭司と裕太郎のコンビの『dele.LIFE』の新しい展開を、また読みたいです。


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今日の本:『盲目的な恋と友情』(辻村深月) [本のこと]

辻村深月さんの本、やっぱり面白い。


今回読んだのはこれ。
辻村深月
【盲目的な恋と友情】


盲目的な恋と友情 (新潮文庫)

盲目的な恋と友情 (新潮文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/01/28
  • メディア: 文庫
<内容>「BOOKデータベース」より
一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。
そして彼女の親友の女。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。
そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、
息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。


辻村作品でなければ、このタイトルだけでは読もうとしなかったかもしれない。
「恋と友情」なんて言葉をタイトルに入れてしまうなんて、なんてベタな!!!
と思っていた読む前の自分の浅はかさよ。。。
読んでみて、まさにこのストーリーにはこのタイトルしかないな、というような作品で、
「辻村深月さんの本、やっぱり面白いわ」と再確認しました。

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