今日の本：『第三の時効』（横山秀夫）：fine days：SSブログ

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今日の本：『第三の時効』（横山秀夫）　[本のこと] [編集]

少し前に、雫井脩介さんの『犯人に告ぐ』を読んでから、
また無性に警察ものサスペンスが読みたくなった。

警察ものといって一番に思い浮かんだのが横山秀夫さん。
横山さんの本は『クライマーズハイ』以来一冊も読んだことがなかったので、
早速読もうと決めて、選んだのがこの本。

第三の時効

作者: 横山秀夫
出版社/メーカー: 集英社
発売日: 2006/03/17
メディア: 文庫

04年「このミス」第4位の作品だったんですね。
名作と呼ばれるだけのことはある、物凄い面白さでした！
これはかなり、お勧めな作品です。

６つの短編に描かれる、F県警管轄で起こった事件の数々。

　・沈黙のアリバイ
　・第三の時効
　・囚人のジレンマ
　・秘密の抜け穴
　・ペルソナの微笑み
　・モノクロームの反転

表題作の「第三の時効」はもちろん、
どの作品をみても、趣向がそれぞれ違っていて面白いです。
（個人的には特に「ペルソナの微笑み」が良かった！！）

事件解決の意外な展開、
犯人を追い詰める手法の見事さ、
犯人や刑事の心理描写、
警察内部での派閥争い、
マスコミとの関係、etc
短編なのに、こんなに濃縮したいろんな要素がそれぞれに入っているなんて
ほんと凄い。

長編ならまだしも、
警察ものの醍醐味を全て網羅してある短編集には
なかなか出会えないと思いました。

そして、この本の面白いところがもう一つ♪
印象深い刑事が何人か登場するというところです。
一人のヒーロー的な主人公刑事が登場するわけではなく、
事件の要所要所で出てくる３人の刑事・・・。
これが、たまらなく存在感あるんですよ。

・「理詰め型」の朽木
・「謀略型」の楠見
・「ひらめき型」の村瀬

それぞれ、決してカッコいい、いい人なキャラではありません。
それどころか冷酷非道なところまである・・・。
でも、事件解決、犯人逮捕のための手腕の凄さは並じゃなく、
見事な結末に導いていきます。
それが読んでいて、いろんな意味でぞくぞくする要素なのかもしれません。

人情派な刑事ドラマもいいけれど、
こいいうスパッとした切れ味の警察小説も大好きです。

ほんと、面白かった。

2006-09-28 20:14 nice!(1) コメント(8) トラックバック(0)
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同じく『クライマーズ・ハイ』以来拝読してません。
（↑これは泣いた。泣きましたよ。）うん、読みたくなっちゃいました！
久々にゾクゾクしたいぞ（笑）
by CHIF (2006-09-28 23:39)

こんにちはー！
蒼井優ちゃんがキャラクターになっていた集英社文庫の「ナツイチ」
可愛いブックマークが欲しくてこの『第三の時効』を買っちゃいました。
実はまだ読んでません。エヘヘ。
そうか・・・面白いのか・・・ふむ。では、さっそく！
『クライマーズ・ハイ』は大好きなイラストレーターの松尾たいこさんが
装丁を手がけられていたので･･･いずれも不純な動機です。
あっ、クライマーズ・ハイは読みましたヨ！面白かったです！！
by piccorina (2006-09-29 09:26)

＞CHIFさん
これは是非読んでみてください☆
短編だから読みやすいし！
POPだったり、優しいお話の小説も好きなんですが、
「硬派」なミステリの面白さが、この本で知ることができると言ってもいいくらいです。
by nanayo (2006-09-29 10:32)

＞piccorina さん
おお。『第三の時効』既にお持ちなんですね。
是非早速！

本を装丁で選ぶのもアリですよね（＾＾）
私も時々そんな風に本選ぶことあります。
それやって、当たるときも外れるときもあるけど、、、それもまた一興かなと。
by nanayo (2006-09-29 10:38)

おぉ～、初めて読んだ事ある本が出てきた(笑)
嫁さんに勧められて読んでんけど。
第三の時効が一番おもしろかった。
にしても警察の内部は恐ろしい。手柄云々で捜査されても…。
それがモチベーションになって解決するんかな。
by にぃー (2006-10-02 11:57)

＞にぃーさん
おぉ～、初めて本の記事にコメントもらえた（笑）
このF県警シリーズは、また続編が書かれているそうなんで、
出版されるが待ち遠しいです☆
「第三の時効」は面白かったですねー♪
タイトルの意味を考えつつ読んでたんですが、
あんな仕掛けがあったんだ・・・。
by nanayo (2006-10-02 20:18)