今日の本：『江戸川乱歩傑作選』（江戸川乱歩）：fine days：SSブログ

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今日の本：『江戸川乱歩傑作選』（江戸川乱歩）　[本のこと] [編集]

ミステリ小説が好きです。

ミステリフロンティア系も好きだし、
本格推理系の、東野圭吾さん、貫井徳郎さんなどの作品も大好き♪

友達のTちゃんと本屋さんに行ったとき、
「じゃあ、乱歩なんかはどう？」と聞かれて・・・
そういえばこれまでちゃんと読んだことなかったわ！と気がついた。
「傑作集があるからそれからが読みやすいよ！」と教えてもらったので、
読んでみました☆

江戸川乱歩傑作選

作者: 江戸川乱歩
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 1960/12
メディア: 文庫

乱歩の処女作『二銭銅貨』をはじめ、９編の短編が収録されています。
最近の小説を読むのに慣れているので、
とっかかりは、文体と時代設定の理解にてこずりましたが
９編それぞれが　独特で面白かった。

読み終えてすっきり！ってよりは、
読後の「あと味の悪さ」を楽しむ・・・て感じの本です。
気味悪さを楽しむ・・・って趣味が悪いって思ってしまってはだめ。
この世界観が「乱歩」なんだって納得して読むと楽しめます。

推理小説というより、恐怖小説の趣が強い９編に
それぞれ共通しているのは、
興味や好奇心から始まる恐怖への展開が見事なところ。

退屈からくる殺人嗜好や犯罪嗜好の登場人物、
異常なんだけどもしかしたら現実にありうることなのかも・・・・
って思ってしまってくるところが怖い。

９編の中では
『心理試験』と『赤い部屋』がとくに面白かったです。

『心理試験』・・・いわゆる嘘発見テストに対する準備を画策する人物の様子が面白い。
　　　　　　　　　　頭脳 vs. 頭脳の対戦ってのは見ごたえがあります。

『赤い部屋』・・・法に触れない殺人。このテーマは読むほどに現実味があって怖い。
　　　　　　　　　　最後のあの展開がなくても、十分成り立つ面白さでした。
　　　　　　　　　　でも、あのラストだからこそ読む側もちょっと救われるのかも・・・。

そういえば、以前本木雅弘さん（もっくん）が出てた『RANPO』って映画があったなぁ。
映画館に観に行ったくらいなのに、内容を覚えていない・・・。

2006-05-15 20:01 nice!(1) コメント(6) トラックバック(1)
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nice! 1

どうです？（片桐氏演「どうです氏」風に・・・）私はこういうのが横腹をつつかれるようで好きなんですよねぇ～。前に言ってた例の本屋さんにもたっくさんありますよぉ～。江戸川乱歩と横溝正史のオンパレードの空間は圧巻ですっ！是非お気に入りを探してみてください。私は「人間椅子」が好きです。
by mimisuke (2006-05-16 10:58)

小学生のころ、なぜか友達が乱歩の本をシリーズでもってて、読ませてもらってた。。。

ただ○十年前に読んだので内容はほとんど記憶にないんだけど、乱歩の妖しい世界にどっぷりつかってたことだけはしっかり覚えてます（笑）
mimisukeさんお気に入りの「人間椅子」、これは覚えてる！Moonも好きです！
ドラマ化されたことがあったような・・・
by Moon (2006-05-16 23:02)

渋いですねぇ、私にとって「乱歩」＝「少年探偵団」ということで、小学校の図書館を思い浮かべたりするんですが、こういう作品もあるんですね。
レビューを読む限りでは、なんかいい感じです。読んでみようかな・・・
by うめの (2006-05-17 00:16)

＞mimisukeさん
はい。なかなか妖しげな世界でした。
最後の「芋虫」とかも、これが一番グロテスク系なんでしょうが
その中に垣間見る愛とかにジンときたり・・・。異常な世界がめくるめいてました。（↑「ジン」って打ったらすぐさま「仁」に変換される私のPCって・・・＾＾；）

＞Moonさん
小学生の頃に乱歩にはまるって、すごい。
『人間椅子』はじめ、ラストのオチのつけ方も気が利いててちょっと粋ですよね。
一転二転しうる話の転がりが面白かったです。

＞うめのさん
短編から読み始めてみたのは良かったです。
こういう世界なのねーって理解しやすい。
好きになるか、苦手になるかは分かれるかもしれませんが、
「あと味の悪さ」を試してみては？
by nanayo (2006-05-17 00:48)