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今日の本:『真夜中のマーチ』(奥田英朗) [本のこと]

久々に短編じゃない 奥田さんの本を読みました☆
タイトルがなんとなく好きだったので、
前から気になっていた作品です。

真夜中のマーチ

真夜中のマーチ

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本


  ■内容(「BOOK」データベースより)■
  獲物は十億円。男二人と美女一人+犬一匹目指すは完全犯罪…だったのに。
  新たなるスラップスティック小説の誕生。

帯の文句が 「泥棒がいっぱい。」だったので、
伊坂さんの『陽気なギャング・・・』系な話かな と思って読んだら
ホントにそんな感じでした。

奥田さんの長編モノでは『邪魔』しか読んだ事かなかったので、
こんな感じの軽めの長編も面白くて好きです。
(『邪魔』はとことん重たく暗めだったので、あれはあれでインパクトあったのですが。)

繰り広げられる知能戦ってよりも、
盗ったり盗られたり、騙したり騙されたり、追ったり追われたり・・・の
まさじくスラップスティック・・・ドタバタ劇ですね。
テンポ良くて展開も分かりやすくて早いので一気読みができました。

泥棒モノといえば、
チームの一人ひとりに特殊技能があったり、
個性が際立っていたりするのですが、
たまたま同い年だった 25歳のこの主人公の三人の男女、
クールだったり、何かに長けていたり、裏世界に通じていたりするのですが、
何ていうか・・・極めきれていない?
背伸びしてそう振舞おうとしている?
どっか足りてない?・・・っていう 青臭さがあるんですよね。
そこが面白いし、
この作品の特徴なんじゃないかなと思いました。

完璧構築された筋書きに圧倒されるっていうより、
自分が一緒になって面白がろうって思って読む作品ですね。

手紙のやり取りでラストを締めくくっているのは、
なかなか好きです。
ちょっと余韻を残す感じが 微笑ましい。

ただ、ちょっとだけ気になったのは、
話が色んな人の目線で書かれていて、
結局誰が主人公だったのかな?って分かりにくかったところ。
絞るか逆に大きくくくるかして欲しかったです。
(あ!話し手が順に変わってったのが意図的な書き方だったの?)
それと、タイトルの意味。
分かったときは、「ああ、ここか。」って思いましたが、
それほどインパクトはなかったので、
そこがちょっと残念な気も・・・・。

とは言え、
軽めに楽しい作品が読みたい時にはお勧めです☆


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コメント 5

うめの

この作品は、どうしても「陽気なギャング~」と比較してしまいますよね。
でもって、チームの男達が、あちらに比べて、いささかカッコ良くないというのが、なんとも奥田さんらしいです。
by うめの (2006-05-18 03:10) 

mimisuke

でも面白そうだなぁ~。タイトルの意味も気になるなぁ~。またまた気になる作品目白押しな今日この頃です・・・
by mimisuke (2006-05-18 09:13) 

nanayo

>うめのさん
そうそう!そこが奥田さんらしい♪
奥田作品で「かっこいい登場人物」って
そういえば見たことないですね?

>mimisukeさん
タイトルの意味・・・そんなたいしたことないよ(^^;)軽く流す程度。
この本は、ご近所のM図書館にあるので見てみてね☆
by nanayo (2006-05-18 11:04) 

長谷川舞

奥田さんの作品は最近のものを中心に読んでいたので
この本は未読でした。
「邪魔」が重かったので、「インザプール」以前はそういう傾向なのかと
敬遠していたんですが、面白そうですね。
今、エッセイの「港町食堂」を読んでいるんですが
今度は絶対「真夜中のマーチ」を読もうっと。
by 長谷川舞 (2006-05-20 11:16) 

nanayo

>長谷川舞さん
重い作品と軽めな作品とのギャップがまた面白いですよね。
作家さんてすごいです。
ちょっとB級ちっくな「ウランバーナの森」が私は実は大好きです。
エッセイも面白そうですね。
by nanayo (2006-05-21 01:18) 

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