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映画DVD:『博士の愛した数式』 [映画のこと]

小川洋子さんの原作小説が大好きな作品です。

博士の愛した数式

博士の愛した数式

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/07/07
  • メディア: DVD






【キャスト】
博士・・・・・・寺尾聰     先生(ルート)・・吉岡秀隆
杏子・・・・・・深津絵里   未亡人・・・・・・・浅丘ルリ子   ルート・・・・・齋藤隆成

【ストーリー】
不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。
何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。
それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。
その博士のもとで働くことになった家政婦の杏子と、幼い頃から母親と二人で生きてきた10歳の息子。博士は息子を、ルートと呼んだ。博士が教えてくれた数式の美しさ、キラキラと輝く世界。
母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた、
美しい言葉の意味を知る―。

映画になると知ったときには、
「これは映画も良さそうだな。」って思ってました。
2時間に入れるに丁度いい長さのストーリーだし(←ここ重要)、
キャスティングもイメージ通り。

レンタルショップで膨大に置かれているパッケージの量を見て
ちょっと手を出すのに気後れ(天邪鬼なもんで・・・)してしまって、
見るのが今頃になってしまったけど、

見終わって、「やっぱり見てよかった」って思った。

大筋は原作どおりでしたが、
10歳の男の子ルートが成長して数学教師になった時の目から
語られる話・・・というような構成でした。
高校の教壇から生徒に語るという設定が、
最初はちょっと とってつけた感があるように思えたのですが、
吉岡秀隆さんが役の雰囲気にとってもぴったりしてて、
見ているうちにその違和感は消えていきました。

重要なキーワード 「数学」「数式」についての説明が
教壇でなされているのは、視覚的には分かりやすいし、
原作を読んでいない人にも興味をよりよく抱かせてくれるんじゃないかな。

プロ野球のシーンが 少年野球になってたり、
阪神の野球カードのエピソードが そんなに大きく扱われていなかったり、
他にも原作と違うところは 幾つかありましたが、
博士とお義姉さんとの話が、
原作よりもちょっと具体的に描かれてあったという点は、なかなか好きです。

実は小説を読んだ時に、
まさしくその部分を 想像を膨らませながら読んでいたので、
映画の中で少し クローズアップしてあったのがちょっと嬉しかった。
浅丘ルリ子さん演じる義姉の、秘めた辛さとか 切なさとか、すごく 味わい深かったです。


映画にするにあたって、
ストーリーの細部の変更が 観客に受け入れられるかどうか・・・。
もちろんそれは、観る側の好みにもよるのだろうけど、
この映画に関しては、作り手のセンスの良さが表れていたように思います。
すくなくとも、私自身が本を読んでいたときのイメージは
壊れないままで観ることが出来ました。


登場人物はとっても少ないけれど、
寺尾聰さん、深津絵里さん、吉岡秀隆さん、浅岡ルリ子さん、齋藤隆成君(子役)、
全員が適材適所に溶け込んでいた素敵な映画でした。 

大人のルート役の吉岡さんと 子供のルート役の齋藤君が
すごく 似ているんですよね。
それもストーリーの自然さに一役かっていたのかも(^^)

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コメント 14

koba

原作と比べて寺尾さんは格好良すぎるし、深津さんは若すぎるという気はしましたが、それぞれ見事に役を演じきっていたと思います。
特にnanayoさんも書かれたように浅丘ルリ子さんは良かったですね。
原作の良さを損なわない素敵な映画でした。
by koba (2006-09-15 00:41) 

nanayo

>kobaさん
原作を読んだのが、去年の9月。丁度一年前でした。
原作を読んでから大分と間があったので、細かい部分を気にせず
観れたせいもあるかもしれませんが、素敵な映画でした。
キャストを知る前、義姉役は誰が合うだろう?
岸田今日子さん・・?うーん・・・。と考えていたのですが、
浅丘さんで、ぴったりだったなぁと思いました。
薪能を見るシーンが印象的です。
by nanayo (2006-09-15 00:58) 

piccorina

こんにちはー!
原作は本屋大賞、受賞作ですよね。
私も読みました。すごくヨカッタです。
で、原作が自分にとって素晴らしかったので
映画はどうなんだろう?と思い未観のままだったのですが
そうか・・・良かったのですね・・・よし!
私も映画観てみたくなってきました!
by piccorina (2006-09-15 12:07) 

nanayo

>piccorinaさん
映画なりのアレンジが加えてあって
まったく本のとおり・・・ではありませんが、
監督さんのとらえた原作のイメージが
私のとらえていたものと近いとことにあってくれた・・・
ってところが「映画も素敵」と思えたポイントなのかもしれません。
機会があれば是非一度、見てみてくださいね。
by nanayo (2006-09-15 23:11) 

蒼雲

 映画好きなのでこの作品もしっかりと映画館で見て来ました。原作はまだ
読んでないので暇を見つけて読みたいなと思っているんですけど、時間が‥‥(苦笑)。
 この作品は蒼雲も好きな作品の一つです。
 もうすぐ公開される「夜のピクニック」が最近の楽しみです。
by 蒼雲 (2006-09-16 00:07) 

nanayo

> 蒼雲 さん
ぜひ、原作の方もおすすめしたい作品です。
映画とは少し違った良さもたのしめるはず♪
わたしは小説の終わり方が潔い感じで好きです。

「夜のピクニック」・・・原作の方が文庫になったもようなので、
先にそっちに手を出してみようかしら・・・と思ってます。
映画ももうすぐなんですよね♪
by nanayo (2006-09-16 20:50) 

けいちゅう

ああ、DVD借りたけど観てないっす。
この連休にでも観ようかな…ってか、時間あるかなぁ?
子ども(3歳)と一緒に観る話でもなさそうですしw
by けいちゅう (2006-09-16 21:46) 

nanayo

>けいちゅうさん
そですねー、3歳さんにはちょっと地味すぎるかもですね(^^;)
そういう問題じゃない?
でもせっかくなので借りてる間にぜひ☆
by nanayo (2006-09-16 23:11) 

tap

私も原作大好き!
映画は深津絵里好きなのに観逃したまま^^;
今度観なくちゃダメですね〜。

夜のピクニック、先日文庫を買って、今読んでます。
ところどころの何げない文章が胸にちくりときて、恩田さんらしいなと思いながら読んでますよ〜。
by tap (2006-09-17 22:35) 

nanayo

>tapさん
私も、ずっと、「ゆっくりじっくり観たいから」と思ってたら
今頃になってしまったんですが、
原作も深津さんも好きなら余計に、観てください♪

よし!最近恩田作品読んでないから、「夜のピクニック」買っちゃおう(^^)
by nanayo (2006-09-17 22:59) 

蒼雲

 夜のピクニック面白かったですよ。いや~久しぶりにページをめくる楽しみ
を味わいました(笑)。いいなぁ~ってね(笑)。
 原作が面白かっただけに、映画がどうなるか凄く楽しみのようで不安だったりしますね。
by 蒼雲 (2006-09-18 02:11) 

nanayo

>蒼雲 さん
恩田さんの本、まだまだ読んでいないのがいっぱいあるんですが、
「夜の・・・」が凄く気になってきちゃったので、
次読む恩田作品はこれに決まりです(^^;)
お勧めありがとうございまーす。
by nanayo (2006-09-18 20:25) 

GONG

観ましたー(^^)

「記憶が80分しかもたない」と言うわりに3人の絆がだんだん強くなっていくような気がしました。

単なる記憶は消えてしまっても、「感情」とか「心」は別の部分で博士の中に残っていたのかなー。と思うとなかなか深い物語でしたね。
by GONG (2006-09-20 00:18) 

nanayo

>GONGさん
コメントありがとうございます。
派手ではないけれど、色んな深みが感じられる作品ですよね。
数学に対する興味深さを味わえるところと、
登場人物のつながり・・・・。
少し間をおいて、また見返してみたい映画です。
by nanayo (2006-09-20 19:29) 

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