舞台：『ORANGE』（AMUSE×PEOPLE PURPLE）

PEOPLE PURPLEがずっと続けている名作「ORANGE」に
今年もナックスの音尾琢真さんが出演する。
2年前の出演時には観に行けなかった、琢ちゃんのこの主演、
今回ようやく、大阪公演を観に行くことが出来ました。

AMUSE×PEOPLE PURPLE
【ORANGE】

2013.4.13（土）13：00～＠森ノ宮ピロティホール

【作・演出】 宇田学
【出演】 音尾琢真　阿部力　川岡大次郎　上地春奈　大堀こういち
牧野由依　大村沙亜子　栗原功平（劇団SET) 中川晴樹（ヨーロッパ企画）/三上市朗
植村好宏、森下ひさえ、吉井ミワ、濱谷晃年、片山誠子（PEOPLE PURPLE）



ORANGEは、神戸で活躍する消防士、その中でもオレンジ色の制服を纏って日々戦う
特別救助隊員通称「オレンジ」たちの話。
阪神淡路大震災での救助を経験した彼らが、いま尚、災害現場で
自分の命をかけて人を救い続ける、実話に基づいた物語。

 

・

私は、ピーパー（PEOPLE PUROLE）のこの作品自体は、
以前（2009年）観に行ったことがあるので、内容は知っていました。
ただ、その時観た際は、実は、その内容のシリアスさ、重さに
観るのが辛くて辛くて仕方なくて、
素直にエンターテイメントとして受け取ることができない、自分がいました。
観劇後に、「ああ面白かった」とは、素直に言えない・・・なんて、
その時は書いていたものです。（その時の感想は→コチラ）

でも、今回の2013年公演を観て、
あの時とは違って、もう少し冷静に、だけども強い思いで 観れた気がします。
今回もやっぱり、涙なしには見られなかったことには変わりないけれども、
舞台として、エンターテイメントとしも、素晴らしい作品だなって、
改めてそんな感想が持てた。観終わって「ああ面白かった。」と思えたの。
前回は、「震災」の再現シーンの辛さにばかりとらわれてしまっていたけれど、
今回は、レスキューという仕事を選び、そこで生きる人たちの
強さという点に重きを置いて観られて気がします。

とにかく、ステージ上の勢いとスピード感が凄い。
消防隊の訓練の様子はもちろんのこと、
救助のシーンの臨場感なんてホントに手に汗にぎりっぱなしだし、
彼らの生き方の厚さを肌で感じるようです。
日常生活を描く場面でも、
テンポのいい関西弁が飛び交い、
明るさや面白さ、笑いの巻き起こるシーンにも、
シリアスな部分と同じくらいの勢いがあるんですよね。
まさに、全ての場面に、“全力で生きること”があふれていました。

人の死は、人を弱くもするし、強くもする。
人の死によって強くなるということは、とても難しことなのかもしれないけれど、
そうやって強く生きている人がいるんだ ということを
知ることが出来ただけでも、大事だと思いました。


芝居の中で、琢ちゃん演じる主人公の小日向が、
どんなに奥さんと喧嘩しても、翌日の朝には必ず笑顔で送り出してもらう
約束をしている。と言うセリフがとても印象的。
いつ、どんなことが起こるがわからない仕事だから、と。。。

この日の朝、関西では大きな地震がありました。
電車の遅延を考慮して、昼公演の開演が遅らされました。
交通に乱れが生じた以外は、大きな被害が起こったとは特に聞いていませんが、
カーテンコールで、琢ちゃんも「皆さんが無事にここに来られてよかった。」
と言っていました。
そう、災害はいつ起こるかわからない。
そのことを自覚することが大事なのだよね。

そして、主役の音尾さんの演技も光ってました。
もちろん、三上艦長はじめ、ほかの役者さんたちも
すごく良かったけど、
あの琢ちゃんの異様に上手い関西弁はなんですか？
道民なのに！！！（笑）
そして、異様なマッスル具合も健在でした。
いや、そこだけじゃなく、ほんとにいい役者さんですね。


いい舞台でした

コメント 2

こんばんは。突然の書き込みでスミマセン。
検索でこのブログにたどり着きました。
来年の２月に福島県の郡山で行われるORANGE の舞台を観に行きます。
東日本大震災を経験した者として、とても興味があります。
重い内容かもしれないけれど…舞台を観るのは久しぶりなので、楽しみたいと思います。
by なみ (2014-10-28 18:55) 

>なみさん
コメントありがとうございます。
私も、また再び、今度のＯＲＡＮＧＥを観に行くつもりにしています。
その時の自分が、またこの作品に向き合ってどんな思いになるのかを確かめに。そしてもちろん、舞台自体をを楽しむために。

なみさんも、楽しんで来てくださいね！
by nanayo (2014-10-28 23:47)