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今日の本:『Vintage ’06』(石田衣良 他) [本のこと]

6人の直木賞作家が贈る、芳醇、至高のアンソロジー
 ・石田衣良角田光代重松清篠田節子藤田宜永唯川恵

こんなの、読みたいに決まっています♪
近くの本屋さんになかったので、
注文していたのが 数日前に届いた。
早速読みました☆

vintage '06 (ヴィンテージ・シックス)

vintage '06 (ヴィンテージ・シックス)

  • 作者: 石田 衣良, 角田 光代, 重松 清, 篠田 節子, 藤田 宜永, 唯川 恵
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/06/09
  • メディア: 単行本

それぞれが、「ワイン」という一つのキーワードを含む
とても優しいタッチの作品ばかり。
私はワインの種類などには、全く詳しくないのですが、
作品ごとに一つずつ登場するワインの銘柄が、
なんだか とても素敵な響きとなって、読む者を心地よくしてくれる
・・・そんな感じ。

篠田節子さんと藤田宜永さんは、初めて読む作家さんでしたが、
6人6様の味が楽しめる素敵なアンソロジーで、
満喫しました。

●石田衣良
「父の手」……岩の原ワイン(上越市、岩の原葡萄園)
  石田さんの作品では、珍しく(?)田舎の風景が漂う作品。
  スタイリッシュでお洒落じゃない町の物語を
  こうやって読むのも楽しいです。
  父親と息子の関係が、ぎこちなくとも何故か確固たるものに感じる作品。
  父子で酌み交わすお酒って、
  
ちょっと粋な雰囲気をもっていると思うのですが、
  それが、ビールや日本酒ではなくワインだと、
  一気に「特別」なものになるような気がする・・・。


●角田光代
「トカイ行き」……TOKAJI ASZU HETSZOLO 1995 6put(ハンガリー、トカイ)
  6作品の中で、一番好きです。
  色んなものを切り離そう、逃れようと思い立つ女性が
  海外へ一人旅に出る・・・・。
  誰もが少しは必ず共感しちゃうシチュエーションの中で、
  出会った町と青年とワイン。
  恋が始まるわけではなく、でも何かそれ以上のものと対面できた気がする
  そんな素敵な作品でした。
  
  目からウロコだった一文。
  「切り離されたと思って私はここへきたわけだが、
   彼はつながっているとおもっているからこそ、軽々とどこへでも移動できるのだろう。」
  
  うん、そうだ。旅って実は「そうでありたい」
モノだと思う。

●重松清
「ひとしずく」……CHATEAU BEYCHEVELLE 1962(フランス、ボルドー)
  ここに出てくる夫婦の関係って、なんて素敵なんだろうって思いました。
  平凡だし、悩みもいろいろあるけど、
  深いところでちゃんと呼応している。
  カッコよくもお洒落でもないけれど、
  タイトルの意味がとても効いているラストのワンシーンが好きです。
  二人にとってのその一滴はきっと極上なんだろうな。

●篠田節子
「天使の分け前」……CHEVALIERMONTRACHET 1990(フランス、ブルゴーニュ)
  サミットの饗宴でふるまわれるはずのワインが「誘拐」された・・・。
  突飛なシチュエーションにちょっと面食らいましたが、
  要求をのまないと10本のワインのビンを割ってしまう という
  一見「おいおい」というような状況下での、
  「ワイン」というものに対しての並々ならない思い入れのある国の
  価値感や文化の違いなど、
  ちょっとシニカルな感じの含みもあって 面白いです。

●藤田宜永
「腕枕」……CHATEAU HAUT BRION 1971(フランス、ボルドー)
   なんだかちょっと大人なムーディさがある話でしたが、
   最後は微笑ましい・・・のかな?

●唯川恵
「浅間情話」……登美(甲斐市、登美の丘ワイナリー)

   「つぐない」なのか「愛」なのか、
   分からないけれど、それが「真実の愛」だったことを願いたい。
   ・・・・そんな一つのストーリーを、主人公が傍らで見ている という構成に
   なっています。
   自分の名前のついたワイン・・・を贈ってくれるシチュエーションなんて、
   あったら素敵ですよね。

 

全編読んで、
このワイン飲んでみたいなぁって思ったのが
角田光代さんの「トカイいき」に登場する「トカイワイン」。
ハンガリーのワインで、
三大貴腐ワインの一つだそうです。
実際、ワインの格とかちっとも分からないのですが、
「雰囲気」に酔うのは得意なので・・・。
   


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コメント 14

AZUL

こんな本知りませんでした!
早速読んでみます♪ありがとうございます☆
by AZUL (2006-07-07 05:17) 

こんにちは(^^)
まさに今日図書館で予約してきました~
わたしにとっては“石田衣良・角田光代・重松清”の3人がいる時点で読まずにはいられません 笑
すっごく楽しみです。
by (2006-07-07 16:08) 

nanayo

>AZULさん
作者の顔ぶれと、キーワードだけでそそられますでしょ?
私も、発売を知った時点でとびついちゃいました!
一作品ずつは、短いのですが ゆっくり味わって読みたくなる本ですよ。
by nanayo (2006-07-07 21:11) 

nanayo

>madoccoさん
 >石田衣良・角田光代・重松清”の3人がいる時点で読まずにはいられません
ですよね!ですよね!!同じくですっっ。
でも、アンソロジーって、初めて読む作家さんの作品も読めるところが
楽しかったりもしますよね☆
実は今月発売予定のアンソロジーでも、楽しみなものが1つ
あるんですよ~。
祥伝社http://www.shodensha.co.jp/index.html
今月(7月)の新刊の一つ☆さてどれでしょう?
きっとmadoccoさんも私と狙いどころは同じはず(^^)
by nanayo (2006-07-07 21:25) 

こんばんは。面白そうな本ですね。
藤田宜永さんだけ読んだことがありませんが、
他は馴染みの好きな作家さんばかりなので、読んでみたいです。
by (2006-07-07 23:44) 

nanayoさん…わかっちゃいました☆
石田衣良、本多孝好、(←この時点でもう…笑)そして中村 航、山本 幸久!!
教えてくれてありがとうございます(^^)
図書館の予約が始まるのをチェックしときます!
楽しみです~
by (2006-07-08 20:55) 

nanayo

>twilightkumaさん
nice!ありがとうございます。
好きな作家が、同テーマ(キーワード)で書く・・・。
アンソロジー本って、ホント面白いですよね☆
この本も是非手にとってみてください!
by nanayo (2006-07-09 10:26) 

nanayo

>madoccoさん
 >nanayoさん…わかっちゃいました☆
やっぱり・・・?(笑)
特に、本多さんの本って最近出ていないので、
読みたいですねー♪
by nanayo (2006-07-09 10:28) 

ニライカナイ店主

はじめまして!さっそく遊びにきました。
こういうセットものは最近余り読まなかったのですが(昔は推理小説系
でよく読んでました)テーマがワイン、というのがおもしろいですね。
リクエストした本の波が去ったら・・・読んでみますね。(こればっかり)
by ニライカナイ店主 (2006-07-11 20:10) 

nanayo

>ニライカナイ店主さん
こんにちは。いらっしゃいませ☆
テーマと作家陣につられて読んじゃいました。
ほんと、読みたい本が沢山出てきて嬉しいやら困るやらの日々ですが、
ぜひこれも 読もうリストに加えてみてくださいね♪
by nanayo (2006-07-13 00:07) 

AZUL

読みました~♪ どれもよかったです。
一番好きな作品を選ぶのに困ってしまう本ですね!
by AZUL (2006-07-20 07:12) 

nanayo

>AZULさん
同じテーマなのに、作家さんによって色んな世界が描かれるのが
面白いです。
ワインって、ちょっと特別な雰囲気にさせてくれる素敵なアイテムですよね。
このテーマはとっても面白かったです。
by nanayo (2006-07-21 01:12) 

Skeltia_vergber

nanayoさま

どうも。こん○○は。スケルティアです。
先ほど、コメント欄で話題になった某アンソロジー読み終わりました。
ですが挙げられた本については、私もだいぶ前に読んだで感想書いたのでTB送付させていただきます。
アンソロジーは、作家さんによって出来不出来がはっきり見えてしまうのですが。
音楽CDのサントラやライブアルバムみたいに考えればいいのかもしれませんね。
私もこのアンソロジーで一番美味しかった=面白かったのは、角田さんですね。
トカイワイン飲みたい!!
by Skeltia_vergber (2006-07-30 01:11) 

nanayo

>Skeltia_vergber さん
こんにちは!
角田さんの本って、デビュー作の「幸福な遊戯」が、
どうも味覚にあわなかった経験以来
正直そんなに読んだことがないんですよね。
でも、今回 角田さんではない作家陣の名にひかれて読んでみた本で
こんな素敵な作品に会えたなんて。
ぜーんぶが、好みに合うかどうかはわからないけれど
アンソロジーの良さってそういうとこもありますよね。
TBありがとうございます☆
by nanayo (2006-07-31 14:34) 

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