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BS観劇:『Last Show』(PARCO presents) [お芝居・舞台のこと]

一度観に行きたい 阿佐ヶ谷スパイダース
なかなかチケットも取れなくて 未だ叶っていないままですが、
WOWOWで放送された、
阿佐スパの長塚圭史さん作・演出の舞台 
『Last Show (ラストショウ)』を観ました。(録画分)

  
【作・演出】長塚圭史
【出演】風間杜夫/永作博美/北村有起哉/中山祐一朗/市川しんぺー/古田新太



すごい芝居だ・・・   これ。



ちょっと怖い芝居だとは聞いていたのですが、
怖いというか・・・・色んな意味でグサグサくる作品でした。
色んな感覚を色んな方向から刺されたような
そんな感じがしてしまう。

自称動物愛護の男
それを怪しみ正体を暴こうとするカメラマンプロデューサー
そのプロデューサーと、ずっと離れて暮らしてた実の父親
その父親に狙われるプロデューサーのとこれから生まれてくる子ども

歪んだ愛情と憎悪が
一つの日常を壊していく・・・というのを観ると、
あやうく精神に異常をきたしそうになるくらい。

かなりシリアスなんで、
古田新太さん中山祐一朗さんの、
「おいおい!」って突っ込みたくなるような
軽いシーンもあるんですが、
「笑っていいのかなぁ、ここ」・・・と、
そんなことまで、躊躇してしまいそうになりました。
(これを生で観たら、さぞかし凄かったことでしょう。)


小犬の惨殺(っていうのかな?)シーンや、
人の血のシーンは、かなりリアルで、
視覚的にエグかったです。

でも、
唯一、市川しんぺーさんの誕生シーンから先は、
急に異空間に放り込まれた気がして 
あれは、衝撃だった。

「あ、これ ホラーサスペンスだと思ってたけど、ファンタジーじゃん!」って、
あそこで、色んなことを考えさせられた気がします。
怖い怖いとだけ思って観てたのが
急に反転させられてしまった感じ。


親子の愛情って、
普遍のものだと思っているけど、
そうじゃない形を見せられて、
それに対して一体どう思うのか・・・?
(この点に関しては、この舞台を観る限りでは、
男と女でかなりとらえ方は違ってくる気がしますけど・・・。)



インタビューで、長塚さんが、
「昔から、映画の父子モノが好きで・・・作った父子モノ。」
と言っていますが、
父子モノをこういう感覚でとらえるのって、
なんだか生々しい。
リアルっぽいんだけど嘘っぽくもあり、
拒絶したいんだけど、あやうく共感しそうになる。。。 


「お前さえ生まれてこなければ、私は幸せになれたのに!」
という、風間杜夫さん演じる父親の言葉。

これって、どんな場面であっても、誰が言うにしても、
一番聞きたくない台詞。
それを、まざまざと言い放つ風間さんの演技が、
怖くて怖くてしょうがなかったです。
初めの登場から、一貫して常軌を逸している目をしてるのね。
でもそれが、だんだん「この人の正常さ」なんだと分かってくると、
それがまた余計に怖いんですよ。


メタルマクベスを観て以来気になっていた
北村有起哉さんの、真に迫った演技はも見ものでした。特にラスト。(思い出しただけで 寒っ。怖っ。)

唯一の女性出演者である永作博美さんにだけは、
やはり、同じ女性という立場だからなのかもしれないですが、
共感できました。


それにしても、
すごいものをテーマにするなぁ・・・というのが 1度観た感想。
でも、これ 2度3度と繰り返して観ると、
どんどん違った見方になってきそうな気がします。 
うん、面白い芝居でした。




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コメント 2

CHIF

一癖も二癖もある幅の広い演技陣で、気になってたんですよねぇ。
まだ阿佐スパは「桜飛沫」のみですが、こんどは時代物じゃないのを。
こういう、怖いのとか見たいですねぇ。。。お笑い求めすぎの反動かしら?(笑)
by CHIF (2006-07-29 23:09) 

nanayo

>CHIFさん
「桜飛沫」行きたかったんですよねー。チケット取れなかった(;;)
初めて観た長塚作品がこれ・・・っていうのが
良かったのかどうかは分かりませんが(^^;)
ただもんじゃないってのは、びしばし感じました。(長塚さんも中山さんも)
 >こういう、怖いのとか見たいですねぇ。。。お笑い求めすぎの反動かしら?(笑)
笑い・感動・怖いモノ・・・この三種舞台を渡り歩くのが
止められませんな。
by nanayo (2006-07-30 00:29) 

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