DVD観劇：『痛くなるまで目に入れろ』（G2ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ#8）

G2プロデュース公演に行くのを1ヵ月後に控えて・・・
過去作品のDVDを観てみました。
　　【痛くなるまで目に入れろ】　2004年作品
【作・演出】　G2
【出演】　山内圭哉　中山祐一郎　曽世海児　久保田浩　岩橋道子
　　　　　　渡辺慎一郎　松下好　久ヶ沢徹
　　　　　　坂田聡　シルビア・グラブ　陰山泰

好きな役者さんが沢山出ているので、楽しかったです。
(主役は山内さんだし、阿佐スパの中山さんに、遊気舎の久保田さん、
久ヶ沢さんや泰さんも出てる♪なんて豪華な顔ぶれだ。。。)

ラストまで観て、【痛くなるまで目に入れろ】というタイトルの
重さと怖さが分かってくるところや、
人間の異常性の部分がじわじわとにじみ出てくるところが、なかなか面白いです。
父親の息子への独善的愛情　の物語ですよね、これ。

陰山泰さん演じる父親が、山内さん演じる息子の人生のレールを支配しようとする様。
反抗しようとする息子がどうあがいても、全ては父親の掌の上なところ。
そして、ラスト息子が全ての関係者を殺してしまったシーンでの
父親の「大丈夫、俺が何とかしてやる。」の台詞。
「目に入れても痛くない」ほど可愛い子どもの為に、
親がとる極端な愛情の行方を描いたサスペンス。
なかなか怖いけど、面白かったです。

ただ、ちょーっと構成が荒い気がしてしまうのが、残念といえば残念かな。
舞台上で 時間が行ったり来たり交差したりするっていうのは、よくある進行だけど、
それが、なんとなく雑なのが少し気になりました。
ここでは、久保田さんのストーリーテラー的な役割や、
それぞれの役者の独白による状況説明が、一定の流れを作って
なんとか観やすくさせてくれた感じ。
決してウェルメイド･･･ではないけれど、
その荒さが味といえば味なのかもしれません。

正直、独白形式での説明を入れる舞台って、ちょっと苦手だったので、
山内さんが語り（それも標準語だし）やってるのとか、
最初観てて すっごく違和感があったんです。
でも、観るうちにだんだんそれは解消されていきました。
あれがあるから、異常な世界感が余計重たく伝わってくる感じがする。
コメディではなく、シリアス系ですもんね。
切迫感があおられてくるかんじ。
独白形式もいいじゃん　って、これ観て思えるようになりました。

コメディではないのですが、ちょこちょこはさんでくれる小ネタが結構ツボでした。
ドカンと笑いを持ってくるわけじゃないけど、
このストーリーの中では、あれくらいの微妙な笑いが丁度いいかも知れない。
特に、久ヶ沢さんの天然キャラにはホッとさせられます。
「ムニエルところでした、拙者。。。」ってのが個人的にツボでした。
曽世海児さんと同時に、「上手い！」って言っちゃった。
（拙者ムニエルって見たことないんですけどね＾＾；）
そして、♪海が呼んでる ヘイヘイヘヘーイ♪のあの歌は、
何回か聞くけど何の歌なんでしょね？

あと、山内さんのギターと歌のシーンはめっちゃカッコよかったです。
プロだし上手いのはモチロンなんだろうけど、
歌うとこ初めて観たのでちょっと感動しました。

中山祐一郎さんのキャラも結構嵌ってました。
役者プロフィールによく書かれている、
「ほんわかした雰囲気の中に、時折見せる狂気が持ち味。 」ってのを
そのまま生かしたような役。
「ねぇ、殺してもいーい？」って、
なんの企みも裏もなく言えるってのが一番怖いんだよなぁ。


一回見ただけじゃ、どうもまだまだ深さが分かりきれない気がするので、
もう何度か観てみようかなと思う作品でした。
せっかくDVDだしね。

 

コメント 6

見ました見ましたー
私も後半まで「好きな感じじゃないかなー」と
違和感を感じまくっていたのですが
最後のほう
「陰山泰さん、すげぇ！」とのめりこんでいました（笑）
人間の生身の部分と言うか、肉の部分と言うか。
久ヶ沢さんと中山さん、たまらんですね（笑）
すきだー！

あ、「天才脚本家」今度こそはお貸ししますね！
by itsuka (2007-04-05 15:04) 

怖いの？なのに、笑うの？謎だーっ。
しかし、笑いには少し、スパイスの効いたブラックが入ると効果的ですよね！・・・というのも、私の好みです。
また、生でご感想をお聞かせくださいまし。
by mimisuke (2007-04-05 21:44) 

＞itsukaさん
うんうん、泰さんのラストシーンが「ぞぞぞ」って感じできますよね。
　＞久ヶ沢さんと中山さん、たまらんですね（笑）
私もすきだー！！
　＞あ、「天才脚本家」今度こそはお貸ししますね！
きゃー、楽しみにしてますわ♪
私も、色つけてなんかお返しネタ探しときます。。。
by nanayo (2007-04-05 22:40) 

＞mimisukeさん
怖い・・・ってか、暗い。。。です。
正直、笑いどころはそんなにパンチが効いてはいませんが、
その担当キャラが好きな役者さんだから、ツボに入るというか
なんというか、そんな感じかもしれないです。
好み的にはやっぱり、大王×G2コンビの作品ほうが私は好きなのですが、
たまにはこういうのもアリかな。うん。楽しめました。
by nanayo (2007-04-05 22:48) 

痛くなるまで…型からはみ出した歪な感じが後からきいて来ますよね。
僧正と中山さんのベクトル真逆の狂気を味わえるなんてＧ２さんてば粋なはからい！
お悩みの曲はサモ・アリナンズで作られたオリジナル曲「少年ガッツ団のテーマ」だと思います。
サモアリ本公演EDで流れてました♪
by 栗かの子 (2007-04-08 03:52) 

＞栗かのこさん
サモアリで使われた曲だったのか～。
ありがとうございます☆
あれがすごく耳にのこって離れないんですよね（＾＾；）
うっかり口ずさんじゃったらどうしよう・・・てくらいで。
　＞型からはみ出した歪な感じ
あ、なるほど。その表現上手い！！
「歪み」っていうのがぴったりきますね。
by nanayo (2007-04-08 22:36)