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映画:『バッテリー』 [映画のこと]

最近、邦画で良いものが多いです。
これもそのひとつ。
原作が好きな人にも安心して観てほしい、
そんな映画でした。
 
【バッテリー】
[監]滝田洋二郎
[原]あさのあつこ(角川文庫刊)
[出]林遣都 山田健太 鎗田晟裕 蓮佛美沙子 天海祐希 岸谷五朗 菅原文太 萩原聖人 他

予告編を観ただけじゃ、この映画=
【病気の弟を元気付けるために野球をする兄】
みたいなテーマに思われちゃいそうなんですけど、
ちがうの。それだけじゃないの!もっともっと、繊細な心理描写が中心の物語なの!
と原作ファンである私は思っていました。
でも、原作と違って映画はそういう要素中心で展開しちゃうのは
仕方ないのかなぁ。。。とも思っていたのですが、杞憂に終わりました。

野球を通した少年たちの気持ちの葛藤や成長、家族の関係などを、
ちゃんと、あさのあつこさんの描く世界観の通りに表現してあります。
そして、
それぞれの登場人物のスタンスを、
かなり原作に忠実に見せてくれている。それが凄く嬉しかったです。

原作が好きな作品だと、
そのイメージが壊されてしまうのが嫌だったり怖かったりするので、
いつも映画化されたものを観るときはドキドキするのですが、
これは、観てみて正解でした☆

主人公の天才ピッチャー巧(たくみ)は、
言葉数がかなり少ない役なので、表現をするのは難しいだろうのに、
孤独であるがゆえのモロさっていう部分が
凄くよく伝わってきて良かった。

病弱の弟、青波(せいは)の、
無邪気なのに洞察力が鋭くてしっかりしたことを言う様子も、
全然厭味がなくていい。
病気の事ばっかりがクローズUPされていたら
嫌だなぁと思っていたのだけど、
ちゃんと青波の性格部分が、しっかり描かれていたのが一番嬉しかったです。

その他、豪(ごう)ちゃんや沢(さわ)など、野球チームのメンバーや、
父親、母親、おじいちゃん、監督、ライバル校の選手・・・etc.
原作中のキャラクターの扱いが、映画でも1人ずつきっちりしていてくれて
完璧じゃん!と思ってしまうくらい、
受け入れ度のかなり高い映画でした。
原作=映画がちゃんとぶれていないものって数が少ないような気がするので、
これは良く出来ているなぁってホントに思う。

特に、キャラ立ちしてたのが、ライバル高の瑞垣でした。
原作でもかなりクローズアップされて描かれているキャラクターです。
映画では登場は少ないのに、すごくイメージ通りだったのに拍手。
言葉巧みな心理作戦を仕掛けてくるキーパーソンな役どころが、
分かりやすいほど分かって見事でした。
原作ファンの人に、特に観てもらいたいなぁ。。。

もちろん、原作を知らなくても十分楽しめる作品です。
それどころか、映画を観れば原作のイメージがほとんどつかめるだろうと
思えるくらいなので、
原作を未読の人にもおススメしたいのは言うまでもありません。
野球をとおして考える・・・友人、守りたいもの、不安なこと、・・・
その年代の色んな思いを素直に受けとって
清々しい気持ちに
になれると思います。



そういえば、
原作者のあさのあつこさんが
ワンシーンだけ学校の先生役で出ていました。
エンドクレジットを観たら、役名=浅野先生だって(笑)


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