舞台：『カレッジ・オブ・サ・ウィンド』（演劇集団キャラメルボックス）

８月の観劇は、キャラメル一直線。
大阪初日を観に行くことで始まり、大阪千秋楽を観に行って終わりました。
昨日の大千秋楽、
うん、ステキでした。

演劇集団キャラメルボックス　2007年サマーツアー
【カレッジ・オブ・ザ・ウィンド】 07.8.16（木）14:00～　＠シアターBRAVA!
＜脚本・演出＞成井豊
<出演＞高部あい(GUEST)／大内厚雄／岡内美喜子／岡田さつき／山田幸伸(GUEST)／
　　　　　畑中智行／温井摩耶／三浦剛／青山千洋／實川貴美子／阿部丈二／渡邊安理／
　　　　　小林千恵／久保田晶子

初日は、２F席で観たのですが、
2度目の昨日は、最前列のセンターブロック♪
なんだろ、役者さんの表情の一つ一つが感じられると、
やっぱりグッとくる感が高くなるね。
前観たときは泣かなかったのに、
ストーリーを知っているはずの2度目の方が泣いてしまった。。。

この作品は、主人公ほしみの純粋さや家族を思う素直さが、
観てる人の心をつかむストーリーで、
ラストには家族や周りの皆が、「人を思う気持ち」の大切さを確認しあうラストなんだけど、
とにかく、切ない。
だって、だって、それが全部、死んでしまった後のことなんだから・・・。
中盤で「死んでから家族が一つになったって遅いよ！」っていうほしみの台詞があるように、
ラストシーンをどんなに和やかにキラキラ終わっても、
いろんな意味でシニカルな側面が残って、切ない。
それが、余計に深く心に残った理由なのかな・・・。
「死んでしまった後だけど、ゴーストしての３日間で心が一つになれた」ことを
ハッピーエンドと取るべきなのか、どうなのか・・・実は今も分からないほどです。

作品中では、ほしみと家族の絆の物語と平行して、
あやめと鉄平のラブストーリーも進行していきますが、
このパートも、色んな含みや人のエゴが交差していて見応えの一つ。
「男の嫉妬はみっともない」と自分で言いつつも
あやめと菊川の関係に気を揉む鉄平の気持ちがすごくリアルに感じられました。
あやめのある意味無邪気（悪く言えば無神経）なところが、
二人をすれ違わせてしまう・・・。
お互いがちゃんと好きで、どちらにも悪気がなかったとしても、
色んな要因ですれ違ってしまう気持ちって、ほんとあるんだよね。って観ながらうなずいてました。
そのすれ違いを結びなおす媒介になってくれたのも
やはりほしみの純粋な心。
ほしみ役を演じた、今回が初舞台の高部あいさんの、その透き通った声が、
まさしく「純粋」を気持ちよく表現してくれていました。
初演・再演を演じてきた歴代のほしみ役の女優さんたちは、
それぞれ絶大な支持を受けていたみたいですが、
高部あいさんにも、観る人を納得させる十分な力があったって思います。

初舞台の高部さんを支える、キャラメルの役者陣も、
一人ひとりがとても立っていて良かった。
鉄平役の大内さん、とにかくカッコ良かった。
妻を愛しているのに不器用なところ、いっぱい伝わってきました。
あやめ役の岡内さん、DJ役ってことで声のきれいさがぴったりだったな。
菊川役の畑中さん、結局菊川はあやめのことをどう思っていたのかな？
「弟みたいな存在」ってのはぴったりだったけど、
嫉妬の対象になる男ってのは今までなかったので、新鮮でした。
ギンペイ役の山田さん（ゲスト）、キャラメル出演はお馴染みですが、
いつもの独走っぷりを少し押さえて、高部さんを支えていたように思います。
ナミコ役の温井さん、前公演の17歳役とはうって変わっての40歳の母親役。
悪女系（？）も似合うんだよね。
タケコ役の岡田さん、とにかく可愛いおばあちゃん。「ホストの達也君」ネタが面白かった♪
ツキエ役の小林さん、「子供役」イメージが強いけど、気の強い勉強少女も似合ってました。
ヨウタ役の實川さん、元気少年ってのはぴったり。「オレ」って台詞がなんて自然なんだ。
藤枝役の渡邊さん、テンションの高さにびっくりでした（笑）あんな看護婦さんがいたら
病院は賑やかだろうねー。
松倉役の青山さん、セットのベッドに貼ってある韓流スター写真は、マジ趣味ですね。
薄田刑事役の三浦さん、イカツイ役は嵌りますね。いつか爽やか青年をやってほしいね。
蒲原警部役の阿部さん、老役も大丈夫なところが結構変幻自在ですよね。
主役級はまだやらないのかしら？


カーテンコールでの一言挨拶も楽しかったし、
その日は高部さんの誕生日も重なっていたので、
客席皆で歌ったバースーデーソングも、なんだか感動的だったです。

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前日の公演には、どうやら上川隆也さんが観にいらしてて、
アフタートークにも参上したようですが、
この日は、前説に菅野良一さんがいらしてました♪久々。