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舞台:『トリツカレ男』(演劇集団キャラメルボックス) [キャラメルボックスのこと]

今年のキャラメルボックスの締めくくりのクリスマス公演は、
いしいしんじさんの小説が原作の【トリツカレ男】、
イタリアのある町を舞台にした、心温まる物語。
その、神戸公演を観に行ってきました。


<story>
 ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。
 何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。
 オペラ、三段跳び、昆虫、ハツカネズミetc.
 そんな彼が次に夢中になったのは、外国からやってきた風船売りの女の子ペチカ。
 彼女の笑顔を曇らせる「なにか」を取り除きたくて、一生懸命になる「トリツカレ男」の

 純粋なラブストーリーです。

舞台を観る前に原作の方を読んだ時に、
「うわぁ、童話の絵本みたいなメルヘンでファンタジックな話だなぁ。」って
思っていました。
そして、「なるほど、キャラメルボックスらしいな。」とも。
劇団が常にテーマとしている「人が人を思う気持ち」っていうのがたっぷり
詰まっているなと感じたから・・・。
ガツンとくるような強さはないかもしれないけど、
ほのぼのした優しい舞台でした。
<以下内容とキャスティングに少し触れます>

でも、今回の舞台を観るのが楽しみだったことの一番は、
生の舞台でどうやって表現するんだろう?という興味津々な場面が
盛りだくさんなところ。
世界記録を出しちゃうほどの三段跳びの跳躍力は?
外国語で会話するシーンは?
人間の言葉を話すハツカネズミは?
あのラストシーンは?etc.

いつも、大掛かりな装置や仕掛けを使うのではなく、
ほぼ人の力や技だけで色んなシーンを作り上げるキャラメルボックス。
今回も、色んな手法で、気になっていた様々なシーンをやってのけてくれていました。
圧倒されちゃうような物凄い舞台装置を使う舞台も面白いんだけど、
人間業の技法で見せる演出や演技にこだわっている・・・・
そういうところ、この劇団の好きなところなんだよなぁ。
「舞台の上ってなんでも出来ちゃうんだなぁ」って思わせてくれます。

あと、単純に仮面祭のシーンは賑やかで楽しかったね。
フラッグ、ジャグリング、他、色んな大道芸で皆が練り歩くシーン。
仮面や衣装を着込んでるので顔が見えなくて、誰がどれだろ?と一生懸命考えながら
観ちゃいましたが、そんな風に見ずに、素直に大道芸を楽しんでみれば良かったかな。
このシーン、ストーリー展開には深く関わらない部分だけど、
すごく印象に残りました。みなさんの芸達者ぶりにぼれぼれだよ。




今回、キャスティングの面白さもありました。
あの役をこの人が?っていうのも、モチロンあるんですが、
一番ナイス!と思ったのは岡田(達也)さんのトト。
最初、「ん?何の役だコレ?」と気づかなかったのですが、(←鈍っ)
分かった時点で「ナイス!!」と心でつぶやきました。
主役ジュゼッペ(畑中君)とのあのコンビっぷりは、すごくいいよ。

 役者さんについて。。。

ジュゼッペ(畑中智行さん)
 主役のトリツカレ男。
 強気な感じの役が多かった過去作品の印象と比べて、
 一生懸命で一途だけど「人との交流が下手な内気さ」が新鮮でした。
 尖った感じの役が似合うと思っていたのに、こういう純な役もいいね。
  
トト(岡田達也さん)
 ジュゼッペが飼っているハツカネズミの役。
 まさか、おっかーさんがこの役とは!!以外だったけど、観てみると
 ばっちりハマっていたところがさすが。
 ほんと幅広いよなぁ。あの白い衣装と尖った靴が可愛かったです。
 
ペチカ(岡内美喜子さん)
 風船売りの少女。キレイなお姉さんから可愛らしい少女まで、
 ヒロインは任せとけ!って感じですよね。
 カタコトで喋るシーンが可愛かったです☆

ニーナ(渡邊安理さん)
 ペチカの飼っているインコ役ってことで、衣装が派手で可愛くて、
 THE・あんりちゃんって感じだったよ。
 
アンナ(坂口理恵さん)
 ジュゼッペのお姉さん役。
 旦那さんの事を語るときの「かーっこい♪かーっこい♪」ってのが
 大好きです。

ビアンカ(井上麻美子さん)
 アンナの娘。登場するたびに色んな小道具(おもちゃ)を持ってるのが
 面白かったです。
 
フィオリーナ(岡田さつきさん)

 レストランのオーナー。ちょっとストーリーテーラー的なところもあったので、
 他より一歩弾いた位置にいた感じが分かりやすかったです。

マルコ(左東広之さん)
 レストランのウェイター。フラれてばっかりの役ってのが不憫だったけど、
 最後には幸せになってよかったね。

アメデオ(阿部祐介さん)
 レストランのコック。阿部さんってこういう堅物な役が似合うのかもね。
 
イザベラ(温井摩耶さん)
 新聞の記者でジュゼッペの幼なじみ。きっとジュゼッペのことが好きだったのに
 結局仕事に生きちゃったところが、ちょっとかわいそうかも。。。。

レオナルド(三浦剛さん)
 都会の新聞社をクビになってやってきた記者。
 三浦さんには高慢な嫌なヤツって役をこのさいどんどん極めてってほしいなぁ。
 
ロミオ(菅野良一さん)
 街を仕切るギャングのボス。虫好きっていうこの役は菅野さんのためにあるような役だね。
 普通にウケちゃった。そういえば、「珍しい虫」の名が「コウトウキシタアゲハ」だったね。
 (「雨と夢のあとに」を観た人にはツボな蝶です。)

セルジオ(筒井俊作さん)
 ロミオの子分その1。本演技じゃなくて、菅野さんと一緒に後ろでやってる小芝居が良かった。

アントニオ(
小多田直樹さん)
 ロミオの子分その2。イチイチ、「ごめんな、ペチカ」って言いながら親分の言いつけを守る
 なんか陰のある役だと思ったら、そういう関係だったのか。

タタン(西川浩幸さん)
 ペチカの学校の先生。登場シーンは少ないけれど、ラストのジュゼッペとの対話のシーンは
 ぐっと来ました。見守ってくれてるんだなぁって、思わせてくれるのは西川さんしか出来ない役だよ。
 
オルガ(大森美紀子さん)
 ペチカの母。歌う みっこさんって好きなんだよね。
 登場シーンは少なかったけど、久々の舞台上でのみっこさんを観れました。

ピエトロ(多田直人さん)
 お医者さんの役。お医者様役なのに、相変わらず飄々とした印象だなぁと思っていたら、
 後で転職したのね。納得。
 いつか多田君の熱い役を見てみたいです。 


そして最後に、今回一番好きな可愛いシーンは、
ラストの焼きたてのパンの綿菓子みたいなふわふわの湯気のシーンでした♪
やっぱりラストはハッピーエンドでなくっちゃね。


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koba

いち早く楽しんできたようですね。
私も来月23日の東京公演に娘と観に行ってきます。
(娘と行くおかげで、観劇だけではすまないのですが・・・)
原作を読んでいないので、どんな話なのか今から楽しみです。
by koba (2007-11-21 20:24) 

もりなみ

わぁぁ~いいなぁ~! ご覧になったのね!
おっかーさんのハツカネズミ、超気になる~~~(>_<)
でも観に行けないのよね・・・_| ̄|○
普段から仲がいいおっかーさんと畑中くん。
おっかーさんは 「主役」 から 「主役を見守る役」 が似合うようになってきましたね。懐が深くなった感? あ、もちろん主役も素敵だけど!
最近キャラメルから遠ざかってしまっているので、春公演は観に行きたいです♪
・・・春って、上川さんご出演? 取れるかな・・・(^^;)
by もりなみ (2007-11-21 21:37) 

nanayo

>kobaさん
クリスマス前のいい時期ですね♪
これは原作を読まずに見たほうが楽しめるかも。
私も、先に読まなければ良かったかも・・・とちょっと思っちゃいました。
今度は、嵐で交通が止まりませんように。
by nanayo (2007-11-22 12:22) 

nanayo

>もりなみさん
舞台自体は、良くも悪くも「行儀のいい」ファンタジーって感じ。
(最近濃いものばっかり見てるせいでそう思うのかしら?)
でも、おっかーさんのハツカネズミは良かった。あれは良い♪
おっかーさんファン(←私だよ!)にはたまらないナイスな役どころでした。
なんとなく、キャラメルは観にいくのが習慣になってきちゃってます。
観にいって当たりまえ・・・。みたいな(笑)
でも、来春の上川さんが出るヤツは、ぜひとも!!見にかなきゃ!!と
私も気合入れてチケ取りに臨むぞ!
by nanayo (2007-11-22 12:28) 

sumi

こんにちは。

やっと、やっとこさ、東京公演に行ってきました!
あのジュゼッペの梯子のシーンは、鳥肌もんでした。
キャラメルボックスらしい、クリスマスらしい、
華やかで温かく楽しい舞台でしたね。

私の一番のつぼは「ロミおっさん」。
カタコトのおかみきちゃんにトリツカレました。
by sumi (2007-12-03 15:04) 

nanayo

>sumiさん
あ♪観に行ってこられたんですね、sumiさん。お帰りなさい!

岡内さんのカタコト、私も好きです!
かわいいわー♪

ザ・キャラメルのクリスマス!って感じの舞台でしたよね。
by nanayo (2007-12-03 23:03) 

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