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今日の本:『ルパンの消息』(横山秀夫) [本のこと]

最近、内野聖陽さん出演のTVドラマ【臨場】を観ているので、
なんとなく横山本が読みたくなっって、選んだのがこの一冊。

ルパンの消息 (光文社文庫)

ルパンの消息 (光文社文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/04/09
  • メディア: 文庫


2005年に単行本、2008年に文庫になっているので、
てっきり最近の作品だと思っていたら、
デビュー作だったんだ!?と驚いた。
はい、まだまだ横山作品初心者ってこってす。
 

15年前の女教師の自殺は、
実は殺害事件だったという通報から始まるミステリ。
時効直前の2つの事件が重なり合い
そこには、あの3億円事件までからんでくる・・という
なかなか盛り沢山です。

物語の舞台には現代的なスタイリッシュさはなく、
やや泥臭い感もあるけれど、
話はさすがに面白い。
ミステリであるとともに、ラストに青春小説的な情緒がさりげなく
書かれているのも一興。
横山秀夫らしさの原点ここにありな作品。




2008年の時点で、15年前のデビュー作品だから
1993年に発表された作品てことでしょ。
で、物語のスタートが、さらにそこから
「15年前に起こった女教師の自殺は実は殺人だった」ということから
当時の状況を振り返る構成になっているから、
物語が展開する世界はかなり古い時代・・なわけです。

物語の主人公(?と言っていいのかな?)の喜多たち、高校生3人+αの
いわゆる“当時の不良”の描写が、
なんていうか、泥臭さがあるようなないような部分に
ちょっと苦笑してしまいつつ、それも面白さの一つなのかもしれない
と思いつつ読みました。
今風のスタイリッシュな設定の作品とは違った、
お洒落さに頼らない、ホントの話の面白さが味わえるってもんです。



タレコミによって、スタートした時効24時間前の捜査が、
当時の関係者の取調べで語られる供述のみで推理されていくことに、
若干の違和感を覚えもしたけれど、
最後にはそれぞれの裏ドリもしっかり施され、納得のラスト。
いろんな部分に伏線が張られ、謎が次々と明かされていく巧みさは
流石、横山秀夫だなと思わずにはいられませんでした。

15年前の関係者の回想の中の物語と、
現在の刑事達の捜査の物語、
その二つを一緒に楽しめる、一冊です。

事件の謎解きだけでなく、登場人物の人間味や人間関係を
しっかり読ませてくれるところも
読後の充実感を味わえる理由かな。





そして、この作品、去年ドラマ化もされているようですね。
キャスティングを調べてみたら、
自分の読んでたイメージよりも ずっと若い配役だった。
そうか、そのメンツでやれば、確かにスタイリッシュさはでるね、
と思うような顔ぶれでした。
上川(隆也)さんが溝呂木で、岡田義徳さんが喜多かぁ。。。ほぅ。


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コメント 2

会社員@

いいっすよね、横山作品。第三の時効で嵌りました。
最前線ではない警察官にスポットを当てるあたり、さすが元新聞記者と思います。夜うち、朝かけ…など横山作品で知りました。

TV(カブトムシが出た回)見て、何のひねりもなく「臨場」を買い、2時間ほど前に読み終えました(笑) 設定からすると、内藤さんは全然外見が違いますが、そこはやはり視聴率との兼ね合いなんでしょうね。

ルパンもいずれ読みたいと思います。

by 会社員@ (2009-06-02 21:47) 

nanayo

>会社員@さん
第三の時効は、いいですよね。あれは、面白かったです。
そうそう、なんだか色んな専門用語(?)が出てくるのが勉強になります。
初めて読んだのは「クライマーズハイ」なんですが、
まだまだそれ程沢山は読んでいないので、
ちょっとずつ読みススメて行くんだ♪
「臨場」はとりあえずドラマにはまってるので本は読まずに楽しみます☆

ルパンも是非♪

by nanayo (2009-06-03 23:33) 

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