今日の本：『心霊探偵 八雲 （５）』（神永 学）

八雲シリーズ５作目、読みました。

前に（４）を読んでから、ずいぶん時間があいてしまってたのだけど、
このシリーズはキャラが立っているので、
久々に読んでも設定が思い出しやすくて入りやすい。

心霊探偵八雲5 つながる想い (角川文庫)

• 作者: 神永 学
• 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
• 発売日: 2009/06/18
• メディア: 文庫

冬だけど、心霊モノ。・・・いや、これは心霊モノなのかしら？
探偵モノ・・・かな？

　内容（「BOOK」データベースより）
　八雲が消えた―!?15年前に起きた猟奇殺人事件の現場で、
　ビデオカメラに映り込んだ、恐ろしい形相をした女性の幽霊。
　八雲は相談を受けるが、その映像を見たとたん、
　なぜか突然姿を消してしまう。
　一方、時効成立間近に姿を現した、殺人事件の容疑者を追う後藤刑事までもが
　行方不明に。いったい2人はなぜ姿を消し、何処へ行ってしまったのか!?
　今、晴香の命をかけた八雲捜索が始まる―大人気シリーズ、緊迫の第5弾。


いつもは、八雲のところに事件が持ち込まれる・・ってパターンなのが、
今回は、大々的に八雲自身が事件の核に座っています。
そこが読みどころ。

・


ただし、八雲自身は最初ちらっと登場した後に、行方不明になってしまうので、
後半までは、その他の登場人物が事件解決に奔走します。
後藤刑事、石井刑事、新聞記者の真琴、そして晴香。
特に、晴香においては、実は八雲と並々ならぬ運命的なつながりがあったことが
ここにきて明らかになっちゃって、なんとも小説的な（笑）ドラマティックさ。
八雲の母親と、晴香の母親が古い知り合いだった・・・と。
ここヘンの設定は、文字で説明すると、なんだか都合主義の陳腐な感じに
聞こえちゃうかもしれないけれど、
物語を読んでいる中では、全然こじつけっぽくなく、むしろすんなり面白く読める流れでした。
八雲の母親に対するわだかまりや謎部分が、ある程度ははっきりわかって、
いろんな真実が明らかになってて、
ある意味、この５巻が、シリーズにおける一つの山場になってたんじゃなかいかしら。


で、肝心の探偵小説としての見所は・・というと、
ちゃんと最後に、それも八雲主体の謎解きで、事件の“本当の”真相が明らかに
されているところが面白かったです。
途中まで、石井刑事が色々謎解きに頑張って導いた答えの
更に裏を行く真相を、八雲が解く・・・っていうパターン。


サクッと読めて、適度に楽しめるこの八雲シリーズ。
気負い無く、探偵＆心霊モノが読みたくなったときにはおススメです。