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舞台:『THE LEFT STUFF』(Piper) [お芝居・舞台のこと]

本多劇場でPiperの舞台を観てきました。
久々のPiper。大好きなPiper。
大阪公演が自分の日程的に合わず、諦めようかとも思ってたんだけど、
東京まで観に行って良かった。
これは生で観に行って良かった。

前回、前々回、前々々回は、いわゆるシリーズモノで、
ちょっと設定がパターン化していたので、
そろそろ違ったパターンのが観たいよな・・と思ってたところに、

今回は、Piperとしても通常の演劇としても新しい試みの
「観客参加型」のこの舞台。

その試み自体も面白かったし、
もともとのPiperの魅力も満載だし、
ばかばかしくて、でも楽しくて、
「Piperってこれだから好き!」と、改めて思い知らされました。
バカ笑いして気分が良くなる。これがこのチームの舞台の醍醐味なんだよね♪

Piper#8
【The LEFT STUFF】
Piper8.jpg
    2010.4.24(土)15:00~@本多劇場

作・演出 : 後藤ひろひと
出演 : Piper(川下大洋 後藤ひろひと 山内圭哉 竹下宏太郎 腹筋善之介)
   相武紗季
   岡田義徳
   川田広樹(ガレッジセール)



【あらすじ】 (HPより)
海底に埋没する莫大な量の次世代エネルギー「メタンハイドレード」を
調査すべく結成された組織「NEO (Next Energy Observation)」。
その研究施設には「海の家」と呼ばれる設備があり、その部屋は
「海底調査員選考」のために使用される。
送り込まれる候補生、男性6名、女性1名。
それぞれが優秀なダイバーや、優秀な地質学者など。
誰もが「NEO」の海底基地で働くことにただならぬ情熱を持っている。
そんな彼らを詰め込み「海の家」が施錠された。期間は7日間。
どうにもぎくしゃくしたおかしな奴らが共同生活を開始する。
そこにはその全てを監視す監視室が用意されており、
その監視室こそが『客席』なのだ。
観客は、7日後にたった1人を採用する投票に参加するのである。


さて、今回の舞台、観客参加型」とはどんなものか?というと、
舞台のワンコーナーで観客をステージに上げる・・・とかいうものではなく、
物語の要所要所のある場面で、客席に選択肢を与え、
観客の拍手や挙手などで次のシチュエーション展開を選ばせる というもの。

例えば、
全員に朝食が与えられるシーンで、
7人の
出演者の中で1人だけ他のモノと違ったものをがこっそり与えるとしたら、
それを誰にするか?

とか、

全員が眠らされている中、起きた時に ある人物以外の6人を別の部屋に移動させ、
たった1人を部屋に残すとすると、それは誰がいいか?

とか・・を、客席の拍手の多さで決めるの。
それぞれのシーンの展開は、全て その時選ばれた役者のアドリブ。
だから、モチロン公演の数だけ展開が違う・・・っていうコト。

「そんなの、全部の回を観てみたくなるじゃないか!!」と、思ってしまうこと必至。
でも、全回なんて無理だからこそ、「自分の観た回はこうだった!」と
楽しむしかないわけです。
そんなのずるい。と、思っちゃいけないんだよ、こういうのは。


そういえば、開演前のステージ上には、
「この実験に参加することを了承する署名」をさせる為の
ボードが置かれていて、
入場したお客さんに、サインさせるという趣向になっていました。
私も、一応しに行った♪





以下、“私が観た回”・・の感想。






まず、
選択シーンだけを言うと。

1、ジャムパンを岡田君(Aさん)に。
2、一人きりには僧正(Fさん)を。
3、大洋さん(Gさん)の有罪無罪は、無罪。
4、3チーム論争は、昔のあそび、「おにごっこ」「なわとび」「メンコ」の
  どれが一番優れているかを討論。
5、Eさんフロムペルーの歌詞は
  「出てきてくれたら 枕がソバガラ。」ー「あ。いいじゃん。」

6、出し物の練習は、腹筋さん(Eさん)相武沙希ちゃん(Bさん)、岡田君(Aさん)の劇。
  ペルーマイムで「波動砲発射」。

7、で、最後は火炎放射機のボタンを大王(責任者)が押す。

という結果でした。
(これは見た人にしか通じないと思いますが、ま、参考程度に。)



選ばれた人が、その場でアドリブで振舞うっていうのを観るワケだけど、
一見ぐだぐだになりそうな所を、
流石上手にやってのけるそれぞれの役者さん。
そりゃ、そのシーンだけは、台本の台詞を言ってるときとは、
ちょっと違う空気にはなるんだけど、なかなか面白かったです。

話の大筋の流れとしては、ちゃんと一方向に進んで行くし、
「この物語って、最後はどうやって終わるんだろう?」って、
観ながらどんどん興味がわいてくるのね。
最初の設定では、
「海底調査員にふさわしい者を一人だけ選ぶ」という目的のはずなのに、
だんだん、登場人物の素性が割れていって、
全員が全員、選べれるには不適格だろうという過去があかるみに出てくる
あたりが、ちょっとブラックな雰囲気もあったりしてね。
話としても面白い。


言葉(台詞)のあそびだったりとか、
ドタバタだったりは、大王(後藤さん)らしいバカバカしさがいっぱいだし、
それぞれの役は、Piper5人の個性もしっかり出てるし、
ゲストの3人も良さが生かされていて、観てて不足がない感じだったよ。



 Piper
  □後藤ひろひとさん(「責任者」役)
    唯一、客席側の人間である大王。客席の決をとるシーンのたびに会場に登場。
    客せきの誰か一人を選ぶときに、
    「今、私とがっつり目があっていあなた!」って指すもんだから、
    選ばれるのが嫌な人は、みんな目をそらしてたなぁ。  
  □川下大洋さん、(「Gさん」役)
    海洋生物学者っていう肩書きな大洋さん。
    「学者」「教授」って、ぴったりだ。
    でも、年寄り扱いされて、憤慨するところもぴったり。(笑)
  □山内圭哉さん(「Fさん」役)
    どの選択シーンでも、僧正を選ぶ拍手は常に多かったです。
    やっぱみんな期待してるんだよね。観たいんだよね、我らが僧正を!
    みごと、一人にさせられるシーンに選ばれたときは、
    ステージをとにかく不安げにぐるぐる回りながら、泣きそうになっていました。
  □竹下宏太郎さん(「Cさん」役) 
    肩書きが「漁師」って!!(笑)まんまじゃん!!!!
    ダンスシーンは、これまた流石。川ちゃんと2人で踊ってても、ついつい
    宏太郎さんに目が行っちゃうんだよなぁ。
  □腹筋善之介さん(Eさん」役)
    劇の練習を披露するシーンでは、なんこの日は「波動砲発射」のマイム!!
    沙季ちゃんと岡田君に、ヤマトのワンシーンを叩き込む腹筋さんは輝いていたよ。
    そして、さりげなく、某シリーズの「もじゃきくん」と同一人物っていう設定なんだよね。
    知ってる人が多かったみたいで、それがわかる台詞では会場爆笑でした。
  


  □相武紗季さん(「Bさん」役)
    女性一人で、しかも初舞台なのに、しっかり舞台女優してました。
    ちょっぴり悪女な役なのが、意外で、でもはまってた。
    だけどやっぱり可愛さが全面に出てて、好感度高め。
    腹筋さんとのマイムシーンでは、一生懸命さもびしびし伝わってきました。
  □岡田義徳さん( 「Aさん」役)
    岡田君は、やっぱり上手い!!さすがいくつも舞台をこなしている安心感と安定感。
    一見個性がなさそうな役を、なんなくやれてしまうところがすごさだと思う。
  □川田広樹(「Dさん」役)
    ガレッジセールの川ちゃん、としてしか見たことがなかったけど、
    しっかり舞台役者さんだなぁと思いました。
    変に作りすぎるところもなく、変にお笑いを武器にするところもなく、
    だけど、個性的な動きをするゲームオタクな役どころをしっかり演じてました。



で、肝心なのがラストよラスト。
ネタバレしちゃうけど、
私が観た回では、責任者の大王が火炎放射機のボタンを押して、
煙が立ち込め、
暗転があけるとラストシーンは「研究室」。ってパターンだったわけです。
「ま、途中どんな選択をしても、オチはそこに行き着くようになってるんだろうな」って
思ってて、上手くできてるな。。。って単純に思ってたんですが、
なんと!!翌日にもう一度違う回を観に行った友人によると、
その日は、7人が逃走するパターンで、「研究室」オチじゃなかったんですって。
えーーーーー、オチまで違うんだ!!って、びっくりです。

まだ詳しく聞いていないので、どのようなオチだったのかは、
今のトコ私は知らないんだけど・・・・・。
いろんな意味で、すごいぞ、Piper。



しかし、あんなにバカバカしさ満点の舞台だったのに、
終幕後に、Piper5人が歌いながら登場するシーンを見ると、
「かっこいーなーーー!!!」と、思ってしまうその貫禄。
この集団の、すごさ。その存在感が天才的です。




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sadag

30日に大阪の公演に行きますので、参考にさせて頂きました。とても楽しみにしております。
by sadag (2010-04-28 10:23) 

nanayo

>sadagさん
大阪公演、楽しんでいらしてください!!
きっと私が観た回とは、また色々違ってるんだろうなぁ。。。

by nanayo (2010-04-28 19:49) 

blue1blue3

お久しぶりでーす。
今日、大阪公演観て来ましたぁー♪

いやぁ、やっぱりpiperはすごいなぁ~。と。
いやぁ、やっぱりpiperはすごいですよ。
まじで。まじで。

今日の選択シーンはですねぇ
(昼の部。やっぱ観た人しかわからないと思うのでf^^)

1、コーヒー牛乳を僧正(Fさん)に。
2、一人きりには腹筋さん(Eさん)を。
3、大洋さん(Gさん)は、無罪。
4、3チーム論争は、殴った時の音(?)、「バキッ」「ドスッ」「ビキッ」の
  どれが一番優れているかを討論。
5、Eさんフロムペルーの歌詞は
  「出てきてくれたら 枕がマナティ。」「とくに、コメントは・・・」
6、出し物の練習は、竹下さん(Cさん)、川ちゃん(Dさん)のダンス。
  エンジョイプレイ(途中まで(笑))
7、で、最後は大王負けパターン

でした。

こんなん話せるだけでも、やっぱすごい!!

今日はDVD用のカメラが入っていて、東京・大阪で今日の昼までは
ずっと大王負けパターンなんだってw(゚○゚)w
ぜひぜひ、夜には勝ってもらわないと・・・
特典映像、大王のバンジージャンプって・・・
いやぁー、それより両パターンが観たいヾ(≧▽≦*)ヾ

DVD、買いまーす。
by blue1blue3 (2010-05-01 22:56) 

nanayo

>blue1blue3さん
こんにちはー。きっと観に行かれると思ってました♪
楽しかったですね、今回のPiper!!

しかも、私が見た回と全く違うチョイスだ!!
腹筋さんが一人?!(危険すぎる!笑)
殴った音の優劣ってなんだそれ!!
Salと川ちゃんのダンス練習観たかったーーーー!
大王が負けパターンのラストシーンってどんななんだろう?

ほんと、これは違う回を観た人の話をいっぱい聞きたくなりますね。
観て楽しくて、思い出して楽しくて、聞いて楽しくて、
色んな要素で盛りだくさんな舞台だ☆

by nanayo (2010-05-09 09:30) 

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