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舞台:『こどもの一生』 [お芝居・舞台のこと]

「こどもの一生」を観に行ってきました。

【こどもの一生】
こどもの一生.jpg

2012年11月29日(木)19:00~@シアタードラマシティ

作;中島らも
潤色;桝野幸宏
演出;G2
出演;谷原章介 中越典子 笹本玲奈
    山内圭哉 戸次重幸 玉置玲央 鈴木砂羽/
    吉田鋼太郎




やー、面白かった!
ホンも、演出も、役者さんも、全部がすごく良かった。

中島らもさん原作のこの作品、幾度か再演されているそうですが、
私は今回観るのが初めて。
ホラーだと聞いてはいたのですが、うん、怖かった。
ビジュアル的な怖さと、精神的な怖さの両方から攻められる感じ。
でも、面白かった。
ドキドキ、びくびくしながらも、一瞬たりとも目が話せないの。



孤立した島にある、臨床心理治療所。
社会生活のストレスからくる悩みを解消するために集まった患者たち。
薬と暗示で心を「こども返り」させることで自由になりストレスを解消しようとする治療に
参加することになるのでこどもの精神状態になって、無邪気に遊んだり暴れたりしてるのが、
最初はすごく面白かった。役者さんらの弾けっぷりも良かったし。
でも、その無邪気さの中に、だんだんと残酷さが現れてくるあたりから、
どんどん怖くなってくの。
乱暴ないじめっ子タイプの人間を、他のみんなで仲間はずれにするために始めた
「山田のおじさん」ごっこ。
架空の人物(山田のおじさん)の話で盛り上がり、
仲間はずれにする相手に疎外感を与える・・・っていう、
けっこう陰湿ないたずら なわけですが、
この悪ふざけが、後半の恐怖を呼ぶことになるわけです・・・。

架空の人物だったはずの山田のおじさんが、実際に登場して混乱におちいるみんな。。。
みんなで勝手に考えたはずの設定どおりのキャラクターでそこに存在する「山田のおじさん」。
そして、いじめっ子が、架空の人物にこっそり加えたていた
「みんなを次々と殺していく」という設定・・・。

このあたりから、スプラッタがはじまっていくわけですが、
チェーンソー持ってみんなを追いかけ回す山田のおじさんも怖いんだけど、
おじさんが言う「人は誰かに意識されることで存在する」
っていう台詞がとても印象的でした。
「逆に、自分がここにいても誰にも意識や認識されなくなった瞬間に、
その存在がなくなる」的な言葉には、ゾワっとしたなぁ。



そして、役者さんたちもそれぞれがいい演技されてました。

谷原章介さん(柿沼 役)
三友社長に使われる部下。真面目なスーツ役が似合ってらした。
舞台で見るのは私は初めてでしたが、違和感なく、なんでも器用にこなす人ですね。
大阪公演だからか、某シーンで、台詞のなかに「大阪王将」をぶっこんできたのは、
谷原さんのアドリブなのか、台本なのか(笑)

吉田鋼太郎さん (三友 役)
さすがの存在感。横暴な社長の役はもちろんの威圧感な上、
ワガママなこどものときの暴れっぷりのみごとさったらない。
暗示にかかる瞬間(こどもがえりする瞬間)、一番客席をわかせていましたわ。
ご飯を書き込みながらゴーカイに食べてるのが可愛かった。(笑)

鈴木砂羽さん (看護師・井出役)
舞台での砂羽さん、好きです。個性的って訳じゃないのに、
ちゃんと存在感を残すとこ、いいなぁ。

戸次重幸さん (医師 役)
シゲちゃんがこういう立ち位置の役をやるのって、珍しい。
一番「こども返り」しらた違和感なくやれる気がする(←偏見ですいません)シゲちゃんが、
冷静に患者を観察する側の役だなんて、面白かったです。いろんな意味で。
白衣(なんか近未来的なレインコートちっくなやつだったけど)も似合ってました。

中越典子さん(ユミ 役)
舞台で観るたびに印象深くなる女優さん。青森 わくわく温泉ランドの
キャストのお姉さんのシーンのテンション高さもMAXでよかったし、
こどもの演技も同にいっててよかった。ほんと、中越さん、好きだ。

笹本玲奈さん (淳子 役)
今回(私は)初めて拝見しました。ミュージカルとかもされてる女優さんなんですね。
一見おとなしそうな見た目に反して、勢いづいたたら止まらない・・・的な部分もあるなぁ
って面白く見させてもらいました。

玉置玲央さん (藤堂 役)
この方も(私は)今回初めて見た俳優さん。さりげなく身体能力高そうな動きを
はさみこんでくるところに、おおっって思わされました。
声がちょい高めなので、余計に若さが際立っていた。いい意味で。

山内圭哉さん (山田一郎 役
他の役の人たちと違って、登場シーンが少ないけど、インパクトはすごかった。
山内さんの「よろしぃですか~」が、今も耳から消えてくれないです、、、。
めっちゃこわかったよぅ。。。
ところで、途中、山内さん、足のすねを机でマジぶつけして、無言で痛がってたましたたな。
「スマイル忘れんなよ!にっ!」って足を机に乗せるところで、ガンっって!
ごめんなさい、あそこは笑てしまいました。



いや、ほんとにほんとに、怖かったけど面白かった、と、何度も言いたい舞台でした。

この日は、大阪の千秋楽だったのですが、
カーテンコールも妙な盛り上がりでした。
微妙な人数のスタオベに対して、「立つなら立つ、立たないなら立たない。」とつっこむ山内さん。
結局、じわじわと全体でのスタオベになる事態に・・・。
「にせもののスタオベだなぁ・・。強要してすいません。」と役者一同苦笑いでした。(笑)
客席からの「ラピュタやって!」のコールに、
「アホか!なんでここでラピュタやらなあかんねん!」と怒るシゲとか・・・。ね。



中島らもさんの作品、他にもなにか読んでみようかしら。


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