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舞台:『隠し剣鬼ノ爪』/『盲目剣谺返し』 [キャラメルボックスのこと]

キャラメルボックスのハーフタイム―シアターを観に行ってきました。

演劇集団キャラメルボックス2013ハーフタイムシアター
【隠し剣鬼ノ爪】/【盲目剣谺返し】 

キャラメル.jpg
2013.3.16㈯ @サンケイホールブリーゼ


原作】藤沢周平(文春文庫『隠し剣孤影抄』『隠し剣秋風抄』所収)
【脚本・演出】成井豊+真柴あずき

【出演】
『隠し剣鬼ノ爪』 18:00~
畑中智行 岡田達也 岡内美喜子 実川貴美子 左東広之 阿部丈二 多田直人 小多田直樹
『盲目剣谺返し』 19:30~
大内厚雄 坂口理恵 岡田達也 菅野良一 温井摩耶 三浦剛 筒井俊作 鍛治本大樹



ハーフタイムシアターで(1作品60分間の短編の2本立て)で、
時代劇をやるのはキャラメルボックスでも初めてのこと。
原作を知らないこともあって、
いったいどんなの?!って、ドキドキしながら観に行ってきました。

 

 

【隠し剣鬼ノ爪】
 出演:畑中智行 左東広之 実川貴美子 岡内美喜子 岡田達也  
    阿部丈二 多田直人 小多田直樹
 <ストーリー>
 かつて同じ道場で学んだ友・狭間弥市郎を討てと命じられた片桐宗蔵。
 というのも狭間は上役を斬った罪で捕えられるも脱獄、人質を取った上で片桐を呼んでいるという。
 狭間との決闘が逃れられないものだと悟った片桐は、狭間の元へと向かうが・・・


鬼の爪という秘剣を巡った誤解が生んだ悲劇・・・の話ですね。
剣士が剣の腕の優劣にこだわるのはわかるけど、
こんなにも人を憎んでまで得なきゃいけないものなんだろうか?
と、狭間の行動をみてどうも納得できなかった。
誰かを守る為、復讐、出世したい、世を良くしたい、・・・etc.
よくも悪くもいろんな理由があっての戦い(腕を競う)があるにせよ、
狭間の行動の最終目的がどうもよくわからないかったのです。
“ただ、強さを競うのみ”にしかこだわってない気がして。
そして、そんな狭間の為に自分の体を犠牲にした妻・結女のことも、
ちっとも夫を愛してるように思えなかったしなぁ。。。
それに巻き込まれた片桐(主人公)は、可愛そうとしか言いようがない。
最後の最後に、片桐きえの可愛らしい恋模様が描かれてたのだけが
ほっこり、心温まりました♪

畑中智行さん
 少年役のイメージだったけど、時代劇でも「旦那様」 呼ばれるような役を
 やられるようになられたんですねぇ。渋さを感じるにはまだ早い気がするけど、
 まじめで一本気な主人公というのはとても合っていました。
左東広之さん
 
 悪役もこんなに合うんだなぁ、と知った今回。脱獄後の落ち武者的な風貌が
 すごく絵になっていた。
実川貴美子さん 
 なまりのある純朴なしゃべり方がとっても良かった。
 いつまでも可愛いな、じっきーは。
岡内美喜子さん
 本来は笑ってるところがとても素敵な人なのだけど、今回は終始深刻な表情の役で
 ちょっと
岡田達也さん 
 老齢の役って初めてみた。枯れ具合(でも剣はたつ)が意外とハマってました。
阿部丈二さん
 なんだろ?主人公の時の阿部さんより、こういう悪役の阿部さんのほうが好きだわ、私。
多田直人さん
 多田君はちょっと軽めなお友達キャラが似合ねぇ。
小多田直樹さん
 役柄的に年配の役なので、ちょっと貫禄にてこずってるようだったけど、丁寧に演じてらした。


【盲目剣谺返し】
 出演:大内厚雄 温井摩耶 菅野良一 坂口理恵 岡田達也  
     三浦剛 筒井俊作 鍛治本大樹

 <ストーリー>
 文武両道ながら、藩主の毒見役を勤めていて毒にあたり盲目となってしまった三村新之丞。
 妻・加世は夫を献身的に支えるが、三村は病の回復を祈願するためにと寺へ行っていた妻の
 ある変化に気づく。ほかの男と会っているのではと疑う三村は、老僕の徳平に
 加世の尾行を命じる・・・


自分の家を守るためとはいえ、不貞を働いた妻を許せないのはわかるけれど、
主人公・三村は怒りともに我が身の情けなさ感じていたのだろうなぁ。。。
と、観ていてとても切い物語でした。
そして、三村の周りの人々、世話役の徳平や いとこの以寧三村を心配している
様子には、彼らの思い合いの強さを感じさせられ、
些細なことでくるってしまった歯車のやるせなさを心から感じました。
でも、加世を騙していた島村を討つために、秘剣(谺返し)を極めた三村の姿は
とてもかっこよかったし、
ラストシーンで、加世を再び受け入れた(許した)彼は、とても素敵で、
思わず涙がこぼれました。
全てを白紙に戻すことはできなくても、もう一度そこから新たに始めることはできる
んだよね。

大内厚雄さん
 殺陣がとてもかっこよかった。大内さんは和装衣装がホントによく似合うなぁ。
温井摩耶さん
 明るいながらも気丈な女性が、とても凛としてた。
菅野良一さん
 今回のピカイチは菅野さんだ。動きもしゃべり方も可愛い過ぎてたまらなかった。
 お爺ちゃん役、合うじゃん!
(カテコでも言われたけど、ほんと坂上二郎さんそっくりだった。)
坂口理恵さん
 坂口さんの出てくるたびに和んで和んで、いっぱい笑いました。
岡田達也さん
 「隠し剣鬼の爪」では初老の師匠だったのが、こちらの作品では、も少し若い師匠。
 岡田さんも袴がよく似合う。着物の袖から腕を抜いて着物の中で組む仕草(わかるかしら)
 をすると、もれなく竜馬に見えてしまう・・・。
三浦剛さん
 貫禄ある悪役が似合います。でかいから余計に迫力あるのですよね。
筒井俊作さん
 出番は少ないながらも安定感あって好きです。
鍛治本大樹さん
 爽やかさんですよね。今後の活躍にも期待できる若手さんだな。

この日は、大内厚雄さんの誕生日だったので、
カーテンコールでは、客席皆でバースデーソングを歌ってお祝い
という和やかな回でした。



作品とも、短いながらもとてもコンパクトにきれいにまとめられていたな
というのが感想。
決して派手な作品ではないけれど、
キャラメルボックスらしい見易さがどちらにもあって、
時代劇でのハーフタイムシアターもなかなか良いなと思えた。
短すぎて、すこしテーマがぼやけてしまう難点もあるけれど、
また、短編時代劇は今後もやって欲しいです。


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