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舞台:『デキルカギリ』(G2プロデュース最終公演) [お芝居・舞台のこと]

G2peoduceが最終公演を迎えた。
17年間続けてらした、G2さんの演劇プロデュース活動が終わる、ということで、
これは観おさめておかねば!と思って、行ってきました、大千秋楽。

G2produce最終公演
【デキルカギリ】

dekirukagiri.jpg


2013.3.10(日)13:00~@シアター・ドラマシティ

作・演出
G2 

出演
山内圭哉 大和田美帆 片桐仁 菅原永二 吉本菜穂子 
岩井秀人 中川智明  久々沢徹 久保酎吉 



最終公演だけど、
フライヤー写真も明るく楽しいイメージだったから、
気楽に笑って来よう てくらいの気持ちで観に行ったのですが、
こういうテーマで来たか!
軽快なホームドラマだと思って観ていたら、
ちょっとシリアスな展開になってって、
しかもそのシリアスが、社会問題的なシリアスだったという驚き。
手放しで、手を叩いて笑おうと思ってたら、
そんな呑気なテーマではないのか?!と気づいた時のびっくり感。
いい意味で裏切られた舞台でした。

いや、でも、良かった。観に行ってホント良かったです。
結局は、沢山笑ってきたしね☆



テーマは、「家族」と「原子力」。

余命宣告を受けた父 十四郎、
20年前に父に反発して家を出た長男 一朋、
その長男を許せない次男 銀二、
家族を再び集まらせたい妹 三奈子。
三菜子から相談をうけた恋人(候補?)の石井巡査やその先輩刑事が
一朋のそっくりさんを用意して、偽りの家族再会を果たさせようとする・・・
という、ストーリー。
この倉橋家の、家族の確執問題の中に、
原子力問題が絡みはじめ、
そのうち、庭の池にプルトニウムが沈んでる・・・的な展開に
なっていくわけです。
(だめだ、簡単に説明できるストーリーじゃないや。でもそんな話。)
ざっくりとしたストーリーだけ見ると、
ちょっとトンデモ系なのだけど、端々にリアルやシリアスを漂わせ、
結構な重めな内容でもある。
現代の日本が抱える社会問題を、ドボンとホームドラマの真ん中に
投入しちゃって、こういう形で(この公演で)見せてくるとはなー。
G2さん、やるな。
だけど、芝居自体は、いろんなところにいくつもの笑いをちりばめてあって、
軽快で笑えて、観終わって、「あー、面白かった!」って
素直に言える舞台でした。

パンフレットで、G2さんが、
「この国の社会問題について何か大きく訴えていわけではないのです。
実際これはフィクションですし。」

「問題の根源は、人間の愚かさであり・・・(中略)・・・
同時に愛すべき笑える存在でもある。」
と書かれていますが、
そう、フィクションの中で体感するからこそ、
冷静に受け止められる。
家族という一番未身近で、且つ最少形態である人のつながりを通じて知る
人間の本質(その愚かさと その愛しさ)も、
リアル(現実)だとピンとこないものが、フィクションだと
逆にスッーとすんない理解できたりする。

そういう意味で、観て良かった、と思う作品でありました。


そして、G2プロデュースではお馴染みの役者さんたちの顔ぶれも嬉しかった。
久ヶ沢さん、山内さん、仁さん、この3人がこの最終公演のキャストに揃ってる
というだけでほんとに嬉しかったんだもの。
その個性と演技力、そしていい意味での力の抜け具合が作り出す世界感が、
私が一番好きな部分にぴたっとマッチしてくれている。

山内さんの、「顔芸かっ!」と言いたくなるような、あの困惑の表情に笑い、
理系の役どころなのに、どことなく頼りない仁さんに愛くるしさを覚え、
穏やかな役だと思いきや、最終的には実は政治家役だった久ヶ沢さんの
“チョイ黒”加減にやられた。

その他の皆さんも、それぞれに個性的で面白かったです。
久保酎吉さんの、最初と最後の独り語りも胸に迫るものがあったなぁ。。。


カーテンコールでは、何度も何度も拍手で呼び出してしまいましたが、
「よかった!」って思いを伝えられる手段が拍手だったから・・・。
そして、それに応えて何度も何度もステージに出てきてくださった皆さん、
そしてG2さん、ありがとうございました。
千秋楽だけど、特になにもしゃべらず、最後に役者一人ずつとハグしあってた
G2さん、ちょっとジンときちゃった。(久ヶ沢さんだけ拒否してたけど(笑)>G2さんからのハグ)


G2プロデュースとしては、これで最後ということですが、
演出家業は続けていかれるそうなので、今後のご活躍も期待しております!


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