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今日の本:『100回泣くこと』(中村 航) [本のこと]

タイトルがちょっと好きな感じだったので、
読んでみました。
100回泣くこと

100回泣くこと

  • 作者: 中村 航
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本

  内容(「BOOK」データベースより)
  交際3年。求婚済み。年の差なし。ここが世界の頂点だと思っていた。
  こんな生活がずっと続くんだと思っていた―。精緻にしてキュート。清冽で伸びやか。
  いま最注目、野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。

タイトルと内容紹介文だけで、なんとなくラストへの展開は分かるのですが、
それを分かった上で読みました。

この手の物語は、普通ならほとんど泣いてしまうのですが、
なぜだろう?今回は 涙なしで読み終わりました。
ありがちな悲しいストーリー展開に、興ざめしてしまったからか・・・
といえば、そんなことはないんですが、
なんていうか、
文章が、「淡々と」、「丁寧で」、「緩やかに」、「冷静」 な お話だったからかもしれません。

「結婚の練習をしよう」と言って同棲し始める二人は
とても微笑ましいし、かわいいし、素敵です。
でも、一歩はなれた客観性をもって書かれている感じがして、
感情移入させてくれない バリアが張られてたような気がしました。

ま、でも、淡々と読める こういう話も嫌いじゃないです。


物語の中で とっても印象的だった文が一つあります。

  トーストは状況の食べ物だと思った。
  美味しいトーストと、そうでもないトーストには、それ自体には大した差は無い。
  その時の気温や湿度、時刻や場所やBGM。一緒にいる人や、昨日観た映画、
  未来の展望や予感のようなもの。それらの濃淡によって、美味しかったり
  そうでもなかったりする。


・・・・・この部分に すごく共感したんですよね。
おいしいトーストが食べれる状況が、いつもそばにありますように☆

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コメント 4

こんにちは(^^)
わたしはこの手のストーリーはつらいし泣くので読むのに覚悟がいるんですけど、わたしもこれはタイトルに惹かれました(^^;)
淡々と描かれているというのを覚えています。さりげないプロポーズがお気に入りでした♪
読書暦の浅いわたしが本を読むようになって思ったのは“食べること”ってすごくいいなぁとか、すてきだなぁってことです。同じ食べ物でも、食べる時、場所、一緒にいる人が違うと味が違ったり…。そういうことって本を読むまではぜんぜん気にしたことがなかったのでわたしにとっては大きな発見です(^^)(そういえば、泣いた後に食べるごはんとかぜんぜん違いますよね 笑)
by (2006-08-11 18:20) 

nanayo

>madoccoさん
 >さりげないプロポーズがお気に入りでした♪
そのシーン、私も好きです☆
何気なさの中にある特別なシーンって、素敵。すごく憧れます。
 >本を読むようになって思ったのは“食べること”ってすごくいいなぁとか
うんうん。ありますよねその感覚。
この本の中でも表現されている「トースト」のこととか・・・
意識するかしないかで、ちょっとしたことについて気持ちの豊かさの
度合いも変わってくる気がします。(大げさだけど、ほんとにそう思う。)
by nanayo (2006-08-11 22:41) 

こんにちわ。
確かに先が想像しやすい感じでした。
序盤の二人に共感して感情移入すると、後半の展開で泣けるのかも
知れませんね。確かに。
私の場合は、自分の父親のことを思い出されたので自然に涙が出ました。
大切な人の窮地に主人公が仕事のトラブルでトイレに駆け出すシーン
なんかはまさしく自分の体験とオーバーラップしてましたし。
感情移入の度合いで物語の好みが分かれそうな感じですね。
by (2006-08-23 08:04) 

nanayo

>norizo!さん
中村さんの作品はまだそんなに沢山読んでいませんが、
全体の印象が「かわいい」ことが共通してる気がします。
優しい・・・よりも、キュート♪
で、ところどころに ふっと心をつつく表現が入っている。
今後が楽しみな作家さんです。
by nanayo (2006-08-23 23:47) 

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