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舞台:『TAKE OFF-ライト三兄弟』(小林賢太郎プロデュース)大千秋楽 [ラーメンズ関連のこと]

2007年11月4日(日)東京天王洲アイル 銀河劇場にて、
長いようであっという間だった KKP#5
【TAKE OFF-ライト三兄弟】の舞台が終幕しました。
(9月の第一レピューはコチラ

大阪公演を観に行って、名古屋公演を観に行って、東京千秋楽まで観に行って、
一つの舞台をこんなに追いかけて観に行ったことって初めてで、
でもそれだけホントに大好きな舞台だった。
ツアーが終わってしまうのが、正直寂しくてしょうがなかった。
でも、そのラストステージを観に行けたことが何よりも幸せです。
大千秋楽ってこんなに凄いんだね。
舞台の基本部分は同じだけど、演者も、観客も、その空気も、何もかもが特別だった。

もう、大好きだよ。

【TAKE OFF -ライト3兄弟-】
11/4(日)14:00~@天王洲アイル「銀河劇場」
 ■作・演出 小林賢太郎
 ■出演   小林賢太郎、久ヶ沢徹、オレンヂ 


先ず、上演前の会場アナウンスがオレンヂ君。
「ご来場ありがとうございます、オレンヂです。」の声から、楽日の特別感は始まった。

アドリブで遊びすぎず、ストーリーの軸をぶらさない基本の台本に忠実な
07年バージョンの【TAKE OFF】が好きだった。
生のステージだから、日によって空気やノリが違うのは当然だけど、
あまりにも公演ごとに脱線しすぎちゃあ【演劇】じゃない と思ってたから。
だけどね、千秋楽はもうお祭り。
それはきっと、観に来たみんなも分かってるし期待している。
ステージ上の3兄弟も、その期待に応えて 「特別」をいっぱい繰り出してくれていました。
しかも、アドリブリーダーは、今ままで手綱を締めてきたはずの賢太郎さん自身だった。

 ・「エアドゥ!」だったね・

 アビルくんの察してくださいオーラを無視する篠田の叫ぶ飛行機名が
 「あ♪エアバス!!」から「あ♪エアドゥ!!」に、
 篠田が下手にはける時の「キャプテーン」が「エアドゥだ!」に、変わってたね。

 (北海道公演にも行きたかったのかな。)

 ・「エヴァ」だったね・
 飛行機模型作りで間違えて羽を接着したこけしを見て、
 「これ、第何使徒だ?」と首をひねる篠田。
 その後もケーブルを引きちぎるエヴァのマイムをするも、アビル君は「?」な様子。
 「そんなことも分からないなんて甘いな。」と、見下していました。
 (篠田さんっ・・・ってか、賢太郎さんってばそっち方面にも幅広なのか。。。。笑)

 ・「ダム部」って有名だったんだね・
 織部が中学のときに入ってた「ダム部」。
 「ダム作って、川の流れを変える部活ってあるだろ?」と言う織部に、
 いつもはアビル君と一緒に首をひねるところなのに、
 「あー。あれね!」と知ってる風な篠田。
 「え?有名なの?」と返すオレンジ君。
 (ちなみに、ここのシーンの前で「織部さんは何部だったの?」と言うのを
 「織部!」と呼び捨てにしてしまって、「あ、織部!って言っちゃった」とあわてる賢太郎さん。

 台詞のトチリを観ちゃうといつもは「あ~あ」と思っちゃうのに、 
 そんな姿もこの日はなんだか微笑ましくて感慨深い。千秋楽マジック・・・。

 ・「ムービー携帯」だったね・
 作業が遅い篠田を馬鹿にして踊るアビルと織部。(毎回大人気のこのシーン。)
 ♪シ~ノダ、 シノダ、 シ~ノダ♪と、例の踊りをする2人を止めずに、
 携帯を取り出してムービーを撮る篠田。
 なかなか止めてくれなくて踊り続ける2人は、もうぐったりでした。
 (観てる賢太郎さんの楽しそうなことったらなかったよ。)

・「甘やかさないで!」だって・
 バタフライマシンで筋肉を披露する織部のシーン。
 その肉体美に、この日は「おおーーー!」という客席からの賛辞の声が特に凄かった。
 それを聞いて、(客席の)みんな甘やかしすぎだ!!」と諌める篠田。
 (観客が、楽日のお祭りモードになっていることを、ちゃんと彼は知っている。
 その雰囲気で今日は行くんだ、ってことをちゃんと知っているんだろうなって、
 なんとなくここで感じだよ。)

 

・ノコギリトーク・
 ここは毎回アドリブだった、ノコギリ音の説得シーン。
 「あのよー、篠田よー」「おれたちとー」につづく今日の台詞は。
 「ラミネート」
 「しかも」
 「は・か・た の 塩!!」
(伯方の塩) でした。
 (最後、音と全然違ったよね。勢いだけだよね。)


・「方法は3つ」だったね・
 模型の寸法を間違えてしまったあとで提案する失敗しない方法をのシーン。
 通常は「失敗しない方法が2つある」なのが、
 「失敗しない方法が3つある」に増えていた。
 1つ目は、“よーく気をつけてつくる。”
 2つ目は、“上手な人に頼む。”
 3つ目が、“原寸大でつくる”。
 ・・・この↑2つ目が増えたトコ。その却下の理由が素晴らしい。
 「でも、これは、自分達で作ることに意味があるから。」
 (アドリブなのに、グッと来る台詞。 
 悪役に徹し切れない篠田という設定を計算しているのか、賢太郎さんの素なのか、
 どっちにしろ、ほんと良いこと言ってくれた。)

・「お菓子食べすぎ」だよね・
 雨の夜、ハエの完成をビールで乾杯するシーン。
 古今東西しながらも、お菓子を食べまくる織部さんがとまらない。
 「おまえ、食べすぎだよ!」と、篠田に突っ込まれても台詞がいえないくらいに食べ続け、
 しまいには、篠田まで食べまくっていた。そのあとの水の摂取量もパンパない。
 あんたら、ステージで飲みすぎだよ。
 (でもここ、すごく3人が仲良しな雰囲気なところが大好きです。篠田、織部、アビルをみているのに、
 賢太郎さん、久ヶ沢アニキ、オレンヂ君のそのままの3人が見える気がするんだ。)

・「嵐」ってコレだったんだね・
 こっそり忍び込んだ篠田が浴びるに見つかるシーン。
 噂に聞いていた、嵐(ジャニーズ)のダンスをやってくれた。

 「何やってるんですか?」というアビルに、
 「ええと、あの、嵐のフリの確認を・・・。」だって。
(実際、オレンヂ君と2人で嵐のコンサートに行ったそうな賢太郎さん。
 カーテンコールでも、踊ってたね。ちょっとだけ、チョコハンを思い出しちゃったよ。)

・木腕ってね・
 鉄腕アトムの図面とか出てきたら作ろうな!と想像する織部のシーン。
 「(材料は)木でいいか。」という織部に、「それじゃ木腕じゃん!!」と突っ込む篠田。
 (これ、ずっと今まで観てきて、秘かに私も心で突っ込んでたのに言ってくれてなかったので、

 今回観て、「言ってくれた!!!」って思って嬉しかったよ。)

・プロテイン持ってたんだね・
 「歩ける寝袋」で登場する織部のシーン。
 「なんだよそれは!!」と突っ込む篠田に、「通販生活だよ。」と返すのがパターンだったのに、
 ラストステージは、久ヶ沢アニキもやってくれた!
 「なんだよそれは!」に対して、「プロテインだよ。」と寝袋に持ち込んだプロテイン出した。
  篠田:「ああ、プロテインって飲んで寝ると良いっていうよね」
  織部:「いや、持って寝ると効くんだよ」
 (遊び心満載で、大好きだよ。)

その他にも、織部の「ヘルメット忘れたー」とバイクを押してもどるところだとか、
ヨットには興味がないか?古今東西好きな船!で、
篠田が「いかだ」とか言ってはじめそうになったりとか、
カーテンコールの演者紹介で、「織部妻!!」と言ったら、
ホントに軽トラからちっちゃい奥さんの人形が出てきたりとか・・・・
こちょこちょと千秋楽だからという、オマケいっぱいのお祭りらしさが気持ちよかった。



でも、私が一番、「楽日の特別」な雰囲気を感じたのは、
篠田が悪事がバレて、それでも織部のおかげで和解しあうあのシリアスなシーン。
この日の公演のこの場面、今までよりも時間をかけてゆっくり丁寧に演じられている。
台詞の一語一語、台詞と台詞の間の長さの一つ一つが、明らかに長い。
彼らの表情が見える距離の席に座っていたので余計に、
その台詞を言う丁寧さが伺えて、
それに気づいたとき、ほんとにこれが最後なんだ・・・っていうことを実感して更に感慨深かったです。

長い長いフライトツアー。
06年公演の初日のステージ、カーテンコールで「出来てよかった!!」と
オレンジ君と抱き合ってた賢太郎さん。あの時からこの感動は始まっていたんだと思うと、
泣く芝居じゃなかったはずなのに、泣きそうになった。
「演劇自体」を純粋に観るっていう観点からすれば、
そんな感情を持ち込むのは間違っているのかもしれないけど、
それでも、思いが込み上げずには居られないくらい何もかも特別でした。

最後のカーテンコール、テーマ曲【HAE】にあわせてのハンドクラップ。
手の痛さなんて分からなくなるくらい夢中で拍手した。

一言挨拶のとき、涙でなかなか客席に顔を向けられなかったオレンヂ君
ほんと、ちっちゃい体がすごく大きな存在に見えたよ。

・・・・・「ねぇ」。を連発しながらも、「(舞台の)バラしがあるんで・・・」と、最後には
悪魔でも冷静を貫いた長男、久ヶ沢さん
今まで観たアニキで、この役が一番好きだよ。織部、最高。

そして、賢太郎さんの挨拶が、やっぱり何より潔い。
「特に、言いたいことはありません。 言いたいことは・・・・、台本に全部書いた。」
極めて彼らしいその言葉が、大好きだ。

「みんなの背中に羽根が見えるよ」 なんて、クサイ台詞を言い放つワザとさも、
「明日からは、自分でそれぞれの空を好きなように飛んでってください」 なんて
言うところも、全部含めて、小林賢太郎らしさが漂ってたね。



いつまでも止まない拍手の中、何度もステージに戻ってきてくれる三人。
「もう、立っていられない」と、ステージ上に倒れこんじゃう賢太郎さんに、
「賢ちゃん!!どうしてそんなになっちゃうまで頑張ったんだよ!!」と問いかけるオレンヂ君。
「だって、ステージが終わってまだ力が残ってるなんて、そんなのロックじゃないだろ?」
・・・おい、今コレ何キャラだよ。と思いつつも、そんな小芝居が楽しかった。
その後続けて、「ねぇ?」と久ヶ沢さんに振ると、
「ま、おれはこの後もジムに行くけどな。」とアニキ。
大きくずっこける(新喜劇並みに)二人。(ホント、どんな小芝居だよ。)



まさに、色んな意味で巨大プロジェクトのようだったこの【TAKE OFF】、
舞台の楽しさだけではなく、
この舞台を観に行くことを通して、今回は沢山の人と出会えたことも
私の楽しい思い出の一部でした。
皆さん、ほんとにありがとうございました。
それぞれの空は、一つに繋がっているから、またきっと会えるね。






そして、全てが終わって、公式にUPされたメッセージの中のラストの一文
 「バイバイ、ライト3兄弟。
   ・・・・さて、新しいのつくろ。
                賢太郎」

この、ライトな一言に ずっしりと重みを感じます。





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栗かの子

nanayoさん!!
千秋楽いらっしてたんですね!!
うわ~!!
私も、あの日一緒に飛んでました!!!
お会いしたかったです!
でも、ドッキリするくらい同じ感想を読んでnanayoさんと3万6千人の兄弟の一人なんだと感動してしまいました…

本当にじっくり芝居してましたよね。後半は彼らの演技に引き込まれていました。
アドリブもまた良し!!

この舞台の記憶は特別な宝物です。3兄弟よ永遠に…
by 栗かの子 (2007-11-06 21:05) 

mimisuke

36,000人分の一人、mimisukeです。

本当に最高の最高の舞台だったようですね。
ビシビシ伝わっております。

「はーかーたーの、しぉっ!」には笑ってしまった・・・な~んで~やねぇ~んっ!!(笑)

しかし、本当に終わってしまったのかぁ・・・けど、私たちに大きな翼をくれたよね!私も飛べる気がする・・・だって、「やってやれねーことはねぇ」ですものっ!!愛しきアニキたち。

心から、彼らに言う「Thank you very much, Wright Three Brothers!」
by mimisuke (2007-11-06 21:30) 

nanayo

>栗かの子さん
わーーー!!かの子さんも居たんだあの場所に!!!
ほんとお会いしたかったです♪
会えなかったのは残念だけど、一緒に飛んでいたんだと知って、
それだけで、なんか嬉しい。
そして、今読んできたよ。栗かの子さんのとこ。
ほんとにシンクロしまくりの感想で、嬉しさと感動でジタバタしてます。
 >本当にじっくり芝居してましたよね
ですよね、やっぱ思いましたよね。
ラストステージのあのシーン。確実に今まで出一番長くじっくりやってくれてた。

この舞台は宝物。・・・そのとおりですね。うん。この思いずっと忘れないでいたいですね。
by nanayo (2007-11-06 23:30) 

nanayo

>mimisukeさん
その節は、観終わったばかりでテンション上がりまくりでスミマセンでした。
初めての大千秋楽体験で、ちょっとおかしくなっていました。
mimisukeさんと一緒にはしゃぎまくった大阪公演も、ほんと、楽しかったよね!!
あの兄弟の中の一人でいられたことが幸せです。

DVDが出るのも楽しみだな。と思ってはいるけど、
公式のメッセージを読んだとき、
「ああ、もうTAKE OFFは賢太郎さんの手を離れたんだ」と思って、すごい潔さを感じました。
もう次に進む準備ができてる。すごいよね。
この公演でもらった翼を失くさないように、私達も前を向いて飛びたいね。
by nanayo (2007-11-06 23:39) 

蒼雲

 お疲れ様でした&そこまで覚えている記憶力に脱帽。
 蒼雲はもう純粋に楽しませてもらいました。
 ほんと、あの3人良かったなぁー。アニキ大好きになっちゃいました。
 終わっちゃったけど、TAKE OFFという作品に出会えて感謝です。本当、誘ってくれて有難うございました。
by 蒼雲 (2007-11-07 01:06) 

nanayo

>蒼雲さん
もう、思い入れがハンパないくらい大好きな舞台だったので、
そのラストステージ、一言も忘れたくないって思いで記憶に焼き付けてました。
名古屋で観たステージも良かったよね。
あの時は、ええと・・・
「あのよーシノダよー。」「俺達と」「裸天国」「しかも」「味の素」だったよね、ノコギリトーク。
調味料好きなのかしら?
by nanayo (2007-11-07 13:49) 

ニニコ

なんだか、nanayoさんのレポを見て、
涙がじんわりと…。
千秋楽は行ってないですが、
なんかその場の感動が伝わってきたというか…。

私、まだtake off引きずっていますが、
なんだかこの文章読んで、
「あ。終わったんだ。前向いて歩かなきゃ」っていう
気にさせてくれました。

nanayoさんありがとう!
by ニニコ (2007-11-09 19:55) 

nanayo

>ニニコさん
私も、終わったあとしばらくは放心状態でした。
なんか色々色々色々・・・思いがこみ上げちゃってね。

でも、いつにも増して速攻でUPされた公式メッセージのラストの文が
あまりにもきっぱりしていて、
その潔さがまた、“くーーー!!かっけーなぁ!!”と思ったら、
「終わっちゃって寂しい寂しい」って思ってばかりじゃいかんなと、思いますよね。

ほんとは、まだまだ気持ちは浸っているけれど、
前を向いて行くことは忘れないでいなきゃね♪


ほんと、楽しかったですね。三兄弟バンザイ!!
by nanayo (2007-11-09 20:57) 

tap

2年間、ホントに楽しかったね。
去年の公演が終わってふぬけになり、再演を知って舞い上がり、2年間のフライトの大千秋楽にまた色んな思いが胸に。
KKPに翻弄されっぱなしだね。
それにしてもすごい!
ここまでちゃんと書けるなんて。
三兄弟が恋しくなったら、nanayo ちゃんのこのレビューを見にこようっと。
ちなみに。品川へ向かうモノレールの中で、私が聞き逃した!って言って田の、賢太郎さんが久ヶ沢さんに「織部!」って言っちゃったところだ!! 釈然とした!ありがとう!
by tap (2007-11-10 15:59) 

nanayo

>tapさん
tapさーーーーーーーん!!
ほんとに楽しかったよね!!!!
まさに、情報がでるたびにドキドキして待ち焦がれて翻弄されましたよね。
まんまと罠にはまって踊らされた私ら。(いいんだいいんだ。自覚してるやい。)

ああ!!言ってたのはそこでしたか!!織部のとこかぁ。
あの時は上手くつかめなくて、答えられなくてごめんなさいだったけど、
釈然とさせてあげられて良かったです。
こんな私でも役に立てたよ。解説の並木さん。(←?)
by nanayo (2007-11-10 23:44) 

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