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今日の本:『悪夢のエレベーター』(木下半太) [本のこと]

今度舞台化される ということで、初めて知ったこの作品。
(片桐)仁さんが客演するから観に行かなきゃ・・・、
でも、観に行くなら話は知らないほうがいいかな・・・、
と、原作を読むのをためらっていたのですが、
読んだ人から、「原作面白いよ!!」との声をたくさん聞いたので、
読んじゃいました。
悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫 き 21-1)

悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫 き 21-1)

  • 作者: 木下 半太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫

 

うんうん。確かに、面白かったです。
短い作品なので、一気にさくっと読めちゃうところもテンションが下がらなくていい。
なかなかテンポのいい、サスペンス&ミステリーです♪

「後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、
緊急停止したエレベーターに3人の他人と閉じ込められていた。」

というシーンから始まる、密室劇。
赤の他人と密室に閉じ込められた状況から発する精神的な不安や、
それぞれの人物の抱えた秘密が発覚する展開の怖さに
どきどきして、早く先が読みたくなります。

そして、さらにそこから一転して、
章が変わるごとに人物の視点が変わり、
明らかになる真実。
この事件の発端や策略がわかることで面白みの種類も変わるところが
また楽しかったです。
真実が明らかになって更に襲い掛かる事件・事故。
まさに、「悪夢」なんだよね。
登場人物4人にとって、それぞれの悪夢。

ラストのどんでん返し(ってほどでもないけど)も、
また厭な余韻を残す種類の怖さなのですが、
ありがちな展開とはいえ上手いし納得。
ちゃんと「面白かった。」とつぶやいて、本を閉じることが出来ました。



でね、ストーリーとは別に、台詞の掛け合いの面白さも好きなんです。
流石、脚本家さん。って思うような、人物の言葉のテンポの良さ。
特にマッキーの台詞がいちいちツボでした。(笑)

-「オカマの成分は六割が水分、三割がヒステリーよ!」
-「残りの一割は?」
-「ジョージ・クルーニーを思う気持ちよ!!」

-「ハラハラするのがサスペンス、謎を解くのがミステリーです。」
-「オカマの日常そのものじゃない。いい男が店に来たんだけどどうしましょう。
  ゲイかしら?ノンケかしら?ほら、サスペンス&ミステリーよ!!」

-「屁理屈はやめてください。」

-「オカマの定義は屁理屈を言うことよ!」

大好きだ、マッキー。



たしかに、これ、舞台にしたら絶対面白いに違いないですよね。
以前に一度ドラマ化はされているようですが、
密室の心理劇って、舞台にもってこいだ。

誰がどの役をやるんだろうか?そこも楽しみなトコロ。
仁さんは、あの役かな(笑)。




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コメント 4

tap

私もこれ読んだ!
その後に舞台化(しかも仁さん出演!)されることを知ってびっくりしたよ。
確かに会話のテンポもよくて(仰る通り、特にマッキー・笑)、構成もトリッキーで面白い。
脚本家さんの書くものって、やっぱり、台詞を実際発音した時の独特のテンポの良さがあるなぁと思う。

構成は、このパターンで何作もはいけないだろうなぁ・・・と思ったけど、この人はもっと面白いもの書いてくれるかも、と期待してしまう感じだったな。
by tap (2008-04-13 20:24) 

nanayo

>tapさん
やっぱ、マッキーですよねー(笑)
木下さんの名前を知ったのは、これが初めてだったので、
脚本家としての作品は他に知らないのですが、
台詞が懲りすぎず、嫌味じゃなく、さらっとセンスよく。。。って感じでいいです。

舞台は、ぜひ観にいきたいよー。
by nanayo (2008-04-14 20:56) 

蒼雲

 蒼雲も丁度読み終わったばかりですが、続編の悪魔のドライブも凄く気になる。
 舞台版どうなるか凄く楽しみですよね。是非とも見たいー。
by 蒼雲 (2008-04-19 04:31) 

nanayo

>蒼雲さん
舞台になるのがほんと、楽しみですね。
「悪夢のドライブ」は、続編というわけではなさそうですが(登場人物違うもん。)
「面白い」という評価が沢山されてるみたいなので、
また機会があれば読んでみたいな♪
by nanayo (2008-04-19 15:16) 

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