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舞台:『ミスダンデライオン』・『南十字星駅で』(演劇集団キャラメルボックス) [キャラメルボックスのこと]

大阪サンケイホール・ブリーゼで2/18からスタートした
演劇集団キャラメルボックス25th①
ハーフタイムシアター・ダブルフィーチャー
“クロノス・ジョウンターの伝説”
【ミスダンデライオン】
【南十字星駅で】の2本の舞台。

今回のハーフタイムシアターは、ブログライター招待で観にいってきました。(久々っ♪)
  ※ブログライター企画とは、blogやSNSで記事を書ける人を対象に、
    無料でお芝居に招待してくれて、終演後には演出家&役者にインタビューもできる
    キャラメルボックスのナイスな企画
  ※ハーフタイムシアターとは、一本の上演時間が60分という短時間のお芝居
   
   です。



さて、待ってましたの梶尾真治さん原作のクロノスシリーズ!!
私も大好きなシリーズです。
今回上演されている2本は、【ミスダンデライオン】は再演、
【南十字星駅で】は、新作。

クロノスジョウンターというマシンを使って、
自分の大事な人の為に、自分の危険を省みずに過去に飛ぶ主人公達・・・。
つまりはタイムトラベルものなわけだけど、
それぞれの主人公達の思いがね、ほんと強くて熱くて切ない。。。
【ミスダンデライオン】は、初演も原作も知っているので、
再演の今回はそれがどう変わっているのかいないのかが、見たかったし、
【南十字星駅で】は、今まで名サブキャラとしてシリーズ前作に出続けていた
西川さん演じる野方耕一が主役ってことで、ほんと楽しみだったの。


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写真は、上演後にインタビューに答えてくれた
左から、社長の加藤さん
役者の左東さん、西川さん、岡田(達也)さん、岡田(さつき)さん、
一番右が演出の成井さん

で、感想。
HPで公表されているあらすじ以上のネタばれは、なるべくなしで、
終演後の役者さんのインタビューの内容もまじえて、
以下↓思ったことメモ。



うん、やっぱり観に行ってよかった。
やっぱり、クロノスシリーズっていい!!って再認識しました。

「誰かの為に時を超える」という
なかなか壮大なこのテーマに素直に感動できるのは、
それぞれの主人公たちが、
“自分の人生にブレなく生き続けている”からで、
それはSFという形をとった架空物語のなかでも、
現実でも人が大事にしなきゃいけない事柄だから。

そんな「日々の根本的な大事な糧」について考えさせてくれる舞台でした。
そして、小難しいこと抜きの、
ストレートな恋愛モノ。友情モノ。としてもモチロン楽しい作品。


【ミスダンデライオン】は、
 初演を見てるし、メインキャストの2人も同じだし、
 初めて観たときほどの感動は無理かも・・・なんて、ちょっとだけ思っていた
 のですが・・・、決してそんなことなかった。
 オープニング曲がかかった瞬間に、既に物語世界に没頭してたもの。 
 「キャラメルの舞台の中でもこの作品は特に曲の存が大きくて、
 曲と物語が奇跡的なマッチングを見せる舞台」だと、
 岡田さつきさんも言っていたけど、ほんとにその通りで、
 テーマ曲はモチロンのこと、劇中曲の全てが作品と一体化してて、ぐっときます。
 
 ストーリーとしては、展開がすごく速くて、ストーリー説明のモノローグ部分が
 ちょっと多くて、どうしても硬い印象をもたらしちゃって、
 ラブストーリーなのに、しっとりひたりにくいかな・・という部分もあるにはある。
 だけど、そんなことは、
 後半部に入ってからの究極の名シーンの連続で、一気に気にならなくなるの。
 演出の成井さんも、
 「この作品が原作の短編の中で一番感動した作品」だと
 言ってましたが、
 ラストを含めて、とにかくストーリーが素敵だし、
 なんてったって、W岡田コンビのキャスティングが最高なんです。
 (初演を見たときも多分同じこと書いた気がするけど。)
 初演・・再演ともに 樹里とヒー兄ちゃんは、岡田さつきさんと岡田達也さん。
 岡田達也さんは「“4年前の自分に負けたくないない”と思って演じた」と
 言っていましたが、確かに、再演モノって、前の役を別の役者がやること以上に
 前の役を同じ役者がやるって、プレッシャーがあるのかもしれない。
 でも、うん、大丈夫。
 それぞれに 純粋でまっすぐでかわいい・・・主人公2人は、
 やっぱりこの2人を置いて他にはいないって、
 今回の再演を観て、心から思えたから・・・。 

 ラストシーンは、涙しつつも満面の笑みで観終わった、
 そんな舞台でした。


【南十字星駅で】
 シリーズ全てに出演してた西川さん演じる野方耕一。
 クロノスジョウンターを作ったエンジニアである彼が、主人公のこの作品。
 成井さんは、「吹原和彦と野方耕一ってどっか似ているんだよね」って言ってたけど、
 うん、確かにそうかも。そのまっすぐさと、ひたむきさが共通点。
 特に、一人の女性への片思いし続けているって点は、観ていて応援したくなる要素です。
 今回は、「親友」の為に時を超えるわけだけど、
 「会いに行くんだ。オレの○○○○○○に!!」って台詞が、とても印象的でした。
 (ネタバレになっちゃいけないから、↑伏せますが。)  
 で、それと同じくらい印象的だったのが、「“オレ”のクロノス(に会いに行く)」って、言葉。
 そうなんだよ、ずっと今まで、クロノスに乗り込む人々を見続けてきた野方だけど、
 彼のクロノスなんだよなぁ・・・て思うと、
 ただ単にタイムマシンを使うだけの人物と、またちがった思い入れがいっぱい
 あったんだろうなと想像して、余計にジンときちゃった。
 野方役の西川さんは、
 「ずっと同じ人物を演じているが、どういう野方になろう・・・って考えるわけじゃなく、
 今演じて(やって)いることを信じてやってるだけだし、逆に、何度も同じ役をやると、
 前がどうだったかなんて、こだわらなくなる」って言っていましたが、
 なるほど、そのいい意味での力の抜け具合が、
 シリーズを観続けてきた側に、野方の存在を強く印象づける理由なのかもしれないな。
 
 
 この作品では、
 原作で梶尾さんが書いていない「吹原和彦が56年前に飛べたワケ」の
 解決も明示されているし、
 一応、シリーズ完結編で、今のところ次回作はない とのことだけど、
 完結編のストーリーテラーとして野方の孫(めぐる)を登場させているところで
 「作品は終わってしまっても、その世界に生きてる人の“時”が、“人”が、
 ずっとめぐりつづける」ってことを示さています。
 成井さんがこの役に「めぐる」と言う名を付けたのは、そういう意味もあるんだって。素敵ね。


このクロノスシリーズを観るたびに、
原作のイメージをほんとにぴったりにビジュアル化させてるなぁ・・と、
いつも思っていましたが、
成井さん曰く、原作の梶尾さんとは、特に指示を受けるわけでも
作品の演出・役・セットについて話をするわけでもないそうで、
なのに、作品イメージの立体化にこんなに成功してるって、ほんとすごいなと思う。
それだけ梶尾作品とキャラメルの相性が良かったってことだろうし、
実際、先に原作を読んでいても、
「ああ、これがキャラメルで観られてよかったな」って思うもの。

「お互いの領域(原作と脚本)には手を出さないようにしてきた。」
けれども、
「原作と舞台とのキャッチボールがこれだけ出来た相手も、唯一無二だ。」
とも、言ってらした成井さん。

うん、今や私、小説と舞台の両方のファンです。。。



もちろん、小説を読んでない人にも、シリーズの過去作品を見てない人にも、
ちゃんと個々の楽しめる作品☆
ホントなら、もう一回観に行っちゃいたいくらいだけど、
今回、スケジュールが合わずに、今日の一回しか行けないのが残念。
でも、一回でも行けてよかったです。

面白かった♪



以下、公式HPより

【ミスダンデライオン】  
■CAST
 岡田達也・岡田さつき・西川浩幸・前田綾・筒井俊作
 石原善暢・阿部丈二・小林千恵・稲野杏那
■ストーリー
 
横浜大学付属病院で働く医師・鈴谷樹里(すずたにじゅり)は、
 11歳の頃、小児性結核で入院していた。その時、同じく入院していた
 作家志望の青年・青木比呂志(あおきひろし)と出会い、「ヒー兄ちゃん」と
 呼んで慕うようになる。ヒー兄ちゃんは、幼い樹里に楽しいお話をたくさん聞かせてくれていた。
 しかし、ヒー兄ちゃんはチャナ症候群という難病のため、亡くなってしまう。
 19年後、樹里は、チャナ症候群に劇的な効果をもたらす新薬を手に入れる。
 ヒー兄ちゃんを救うため、樹里はクロノス・ジョウンターに乗り込み、19年前の過去へと飛ぶ。

【南十字星(サザンクロス)駅で】
■CAST
 
西川浩幸・坂口理恵・岡内美喜子・畑中智行
 三浦剛・左東広之・渡邊安理・多田直人・原田樹里
■ストーリー
 
元エンジニア・野方耕市(のがたこういち)は、79歳。
 ある日、熊本の科幻博物館から、収蔵品の修理を依頼される。
 それは、43年前に自分が開発した、クロノス・ジョウンターだった。
 修理するうち、野方の脳裏に青年時代の記憶が蘇る。大学4年の夏、
 野方は親友を失った。名前は萩塚敏也(はぎづかとしや)。
 萩塚は屋久島で沢登りしている最中、鉄砲水に流されて亡くなったのだ。
 萩塚に屋久島行きを勧めたのは、野方だった……。
 萩塚と最後に会った日に、もう一度行こう。野方はクロノス・ジョウンターに乗り込み、
 57年前の過去へと飛ぶ。

■大阪公演
2010年2月18日(木)~22日(月) サンケイホールブリーゼ
■名古屋公演
2010年2月26日(金)~28日(日) 名鉄ホール
■東京公演
2010年3月4日(木)・5日(金) なかのZERO大ホール


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ねさ

さすがnanayoさん・・・
もう毎回ブログライター記事読みたい!
今後もぜひ!
by ねさ (2010-02-21 00:11) 

nanayo

>ねささん
久々のブログライター参加で、超緊張したけど楽しかったです♪ね。
いつもは自分の記録メモとして、日記を書いているから気負わないけど、
「読んでる人に伝える」ことをちゃんと意識してして書くのってほんと難しい。
好きなところは好き、苦手な部分は苦手、ってことが、余計な装飾なしに
伝わるといいなぁ。。。。

by nanayo (2010-02-25 22:42) 

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