SSブログ

今日の本:『オネスティ』(石田衣良) [本のこと]

今回読んだ本はこちら。


石田衣良
【オネスティ】

オネスティ (集英社文庫)

オネスティ (集英社文庫)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/11/17
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
「どんな秘密も作らない。恋愛も結婚もしないけれど、心はいつも一番近いところにある。
ほかの人を好きになっても、結婚しても、ずっと好きでいるけれど、
赤ちゃんをつくるようなことはしない」カイとミノリは、幼き日に交わした約束を大切に守り
ながら成長していく。そんな二人の関係は大人になってもずっと続いていき―。
人をどれくらい誠実に愛することができるのかを問う純愛的長編小説。
 
石田作品が得意とする 性描写多めな作品。
だけど、主人公の二人は決してカラダの関係を持たない特別な関係のまま、
ただ、互いをただ一人の「ソウルメイト」として、
相手に常に誠実でありつづけながら成長していく・・・、
そんな男女の物語です。


‟2人の間に恋愛やセックスの関係はないけれど、
自分の恋や性生活のことも相手に逐一何でも話し合う仲”
というのは、すごく極端な設定なので、
普通なら全然共感できない物語にしか見えないところですが、
この2人の関係が、小学校に上がる前の子供時代に、
好きで結婚したはずのそれぞれの両親が仲たがいしている現状を見て、
‟本当に好きならずっと一緒にいないほうがいい”という
純粋な子供の頭での思い付きが発端だった、
という物語の始まり方のせいで、
なんとなく無理なくすんなり受け入れて読むことができました。
(だからといって共感できるというわけではないけど…)


ただ、この関係性は、2人に関わる周りの人たち
(それぞれの恋人だったり結婚相手だったり)からすると
なんて卑怯でずるい!!と思わずにはいられないに違いない。
だって、「男女の体の関係」も「結婚」も、
何をもってしても決してそれを超えられないんだもの。。。
(でも、どこかで、こんな関係羨ましい…と思ってしまう自分もいる。)


作品として、1つ欲を言うならば、
二人がもっともっと歳を取って、永い眠りにつくまで描いて
終わらせてほしかったなぁ、という点。
最後のページを読み終わって、
「えーー、ここで終わっちゃうんだ・・・」と、
ちょっと物足りく感じてしまった。

でも、物語の最後に、
「この関係(約束)を後悔していないか」と問い合うシーンで
2人とも「後悔していない」と迷いなく言えていたところは、
素直に素敵だと思う。
うん。




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。